教育時報社

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≪インタビュー/後編≫

「公立高校“3年ルール”の是非」
学びの多様性とニーズこそ重要

大阪府公立中学校長会・進路第一委員会委員長
奥野 直健 先生に聞く

きょういく時報」22.8.18号掲載>




※前編よりつづく
―― 教育環境面で広域制通信制高校への懸念は ――。

奥野:広域制通信制高校の中には、進路指導にかかわる情報が十分に手に入らない場合など進路指導担当者が不安を感じることもあるようです。

各進路指導主事が実際にサポート校に出向くなどして情報を集め、各地区の進路指導連絡協議会などで情報共有に努めておりますが、生徒や保護者がインターネットで見つけた情報をたよりにして進路決定してしまうというような、非常に浅いところで進路選択がされてしまう現状があることも否めません。

通信制高校のニーズが現実に高まっており、中学生の進路選択において、広域制通信制高校に関して何かあった時にはこのように対応していただける、という道筋がもう少しはっきり見えてくれば、中学校での進路指導も進めやすくなり、ひいては生徒や保護者の安心にもつながっていくものと考えています。



「3年定員割れで再編」の大阪ルール


―― これからの生徒数の減少期、高校の再編整備が一層進んでいくものと思われますが。


奥野:大阪府では、普通科の公立高校に全域から通えるようになっています。しかしその反面、通学に便利な高校には各地域から生徒が集まりやすいという“中心化”の傾向がみられます。

こうした中で、公立高校の場合「3年定員割れしたら再編」という大阪府の“3年ルール”が今後も続いていくと、子どもたちの学びの選択の多様化にも影を落とす結果にならないか心配です。そうした課題について、校長会より府に対してお願いをしているところです。

環境にかかわらず、同じ内容の教育が受けられる点は、公立校の良いところといえます。



この学校に来てよかった


―― 「どこでも同じ教育が受けられる」という公立としての特色は、意外に見落とされている側面かもしれませんね。


奥野:教育の受け手である生徒本人や保護者の立場からすると、それぞれ自分にとって一番良いと思える教育を受けたいという願いを持って学校選びをするわけです。

全体的な人数が減っていく以上、それに見合った受け皿にせざるを得ない部分はあろうかと思いますが、それでも子どもたちにとって本当に学びたいことを学べる環境づくりには力を入れていただきたいです。

私たち中学校の側も生徒に「この学校に来てよかったな」と思ってもらえるような進路選択への支援を充実していきたいと考えています。

―― 本日は、ありがとうございました。<文中敬称略> 

(大阪市立住之江中学校校長)
※前編はこちら


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