教育時報社

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見失うな事件の本質

2017.3.1




 学校法人森友学園をめぐる大阪府豊中市の国有地払い下げ事件の報道で、学園の教育のあり方に焦点が絞られ始めた。

 教育基本法だけでなく、日本国憲法にも反する戦前教育の復活を推し進める森友学園。その教育内容は、確かに大きな問題だ。

 だが、忘れてはならないのは国有地払い下げに関して約8億円の“値引き”となった、名目“ゴミ処理費”のゆくえである。

 NHKのニュース報道によれば、土地の払い下げをめぐり、森友学園理事長と財務省関係者が面会していた事実が国会審議の中で明らかにされたという。果たしてこの面会のシナリオを描いたのは誰なのか。

 また、その時点では、安倍首相夫人の昭恵氏が新設小学校の名誉校長に就任する予定であり、その影響力には絶大なものがあったのではないだろうか。財務省も国有地払い下げの価格について忖度
(そんたく)しなければならないプレッシャーを感じたのでは。

 さらに、国有地払い下げの約1億3400万円についても、10年の分割にすることは、一般にはあり得ないといわれている。

 つまるところ、約8億円のカネを作るしくみとして小学校新設が舞台に使われた印象が強い。

 報道各社は、“カネの流れの解明”にも注力すべきであり、また司法もこの事件を黙認すれば、これまで巷で言われてきたような「日本の司法の退化」を裏付ける結果になるのではないだろうか。
 

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