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近畿の実力私学百選
学校法人 大谷学園

大谷中学校・高等学校


 ■堀川義博 校長先生へのインタビュー


21世紀型の教育をめざして
グローバルマインドの凛花コース


先生は男子進学校を長い間経験してこられました。女子校・男子校といった別学には教育上、どのようなメリットがあるとお考えでしょうか。
堀川: 学校運営上、男子校と女子校に違いはないと私自身は考えています。ただ、男子と女子の性差を考えますと、それぞれの良いところを十分伸ばすためには、12歳から18歳までの年代に限り別学にすることが大きな意味を持ってくると思います。

 男の子には、集団の中で競争することによって伸びていく特性があります。男子校では、男の子が本来持っている競争心が上手く活用されているのではないでしょうか。

 一方、女の子というのは大きな目標に向かうとき、まずは小さなことからスタートし、皆と協力しながら目的を達成していく特性があるようです。女子には協同性や協調性、調整能力に優れた面があると考えられます。

 これからの多様化の時代には、リーダー像もいわゆるトップダウン型より、調整型が必要とされていくでしょう。性別に関係なく、社会の様々な分野で実際に活躍できる人が求められる、そうした時代だからこそ、本校の教育理念である「高い教養」と「豊かな魂」が再び輝きを増してくるものと意を強くしております。

 本校は『報恩感謝』の仏教精神を建学の精神としています。「命は天から与えられたもの」「自分があっての周りではない。周りがあって自分がある」、だから命を大切にしよう、周りの人々に対して感謝の気持ち、思いやりの気持ちを持とう、と常々呼びかけています。

 その心構えを本校では「豊かな魂」と表現し、生徒たちには心のフレームの大きな女性になってほしいと願っております。文科省では“知識から知恵”に至る21世紀型の教育が推進されていますが、本校の教育理念はここにもつながるものだと思います。



医進・特進・凛花の3コース制

中高完全六年一貫教育のもとで、医進・特進・凛花の3コースを設置しておられますが。
堀川: 医歯薬系の進路に対応する医進コースでは、教育方針の中にも、患者さんの心や周囲の状況が読み取れるよう心の教育の重視が明確に打ち出されています。

 特進コースは、医歯薬以外の国公立大学文系理系の分野で、人々の役に立てるような進路をめざします。

 凛花コースは3年前にスタートしました。世界で活躍できるグローバルマインドを持った女性の育成をめざし、茶道・華道を含む日本文化理解、オールイングリッシュの英語授業、カナダやタイへの修学旅行、1年留学、3ヵ月留学、ほか多様な異文化交流を展開しています。

 グローバルマインドとは、相手の心を読み取り、納得できる妥協点を探る力であり、生徒たちには世界のスタンダードとされるようなものの考え方を身につけていってほしいと思います。

 凛花コースにも、意欲の高い生徒たちが入学してくれており、3コースが共に発展していけるよう21世紀型の学びを深化させていきたいと考えています。



心のフレームを大きく

21世紀型の教育では、具体的にどのような学びを ――。
堀川: 「本校では全コースで論文指導を行っており、あらゆる教科の源泉である国語力の強化を図っています。企業探究や、病院での医師体験・看護師体験など、実社会とのつながりを意識した学びも取り入れています。

 理科室も充実させています。化学室では先ごろ、実験で発生した臭気やガスを局所的に急速排気できる装置が大学の研究室並みに導入されました。温度・湿度を一定に保つ生物準備室もあります。科学部生物班は、授業で解剖に使うカエルなどの生物の飼育も行っています。

 こうした中でJAXA(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)が公募した「一日宇宙記者体験」で、4人の記者のうちの一人に選ばれる生徒も出てきました。種子島のH2ロケット打ち上げを詳細にレポートし、さらにプレゼンテーションでも高い評価を受け、彼女は今、宇宙飛行士になることをめざしています。

 子どもたちは心のフレームが大きくなると、小さな知識をどんどん展開させ、自ら大きな目標を見つけるようになっていきます。私たち教員は、心の教育、人が人を教えるアナログの教育にも目を向けることが必要だとあらためて感じます。それが子どもたちの夢を育むことにつながり、思考力や表現力を身につける近道になるのかもしれません。



ありがとうございました。<文中敬称略>〔17.8.18号より全文掲載〕


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