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近畿の実力私学百選

開智中学校・高等学校


 ■土井和正 理事長・校長先生へのインタビュー


2020年国際コンベンションのホスト校へ

生徒それぞれの目標達成をサポート



今春から校長に就任されましたが、今後の学校経営についてお聞かせいただけますでしょうか ――。

土井: 私自身はこれまで、理事長の立場で財務面から学校運営を支えてきました。一般企業とは異なり、学校には毎年決まったものしか入ってきません。採算面で赤字に陥ると、無理して生徒を多く入学させ、人件費を減らすために非常勤の先生を増やすといった負のサイクルに入ってしまいやすく、そうなると学校としての高い質を保つことなど到底できなくなります。

 “良い学校”というのは、質の高い学校運営が求められるわけです。本校では生徒一人ひとりの目標をサポートする体制や取り組みを一層強化し、これからの学校づくりに活かしたいと考えています。

 開智中高は一昨年、創立25周年を迎えました。進学校をめざす歩みの中で、毎年、卒業生のうちの約50%以上が東大・京大・阪大など国公立大学への進学を果たしています。

 今春は中高一貫課程が「スーパー文理」「特進」の新2コース制になりました。高校からの3年課程も「ST類」「T類」の2コース制で、いずれのコースも最後の2年間は理系・文系の進路に分かれ、個々の進路をめざせる体制になっています。


多様な経験を生徒たちに

先行きの読めない不安定な時代といわれますが ――。

土井: だからこそ中高生の間に出来るだけ多様な経験をし、人として必要とされる価値観を養ってほしいと思います。本当の“生きる力”を身につけることが、これからの子どもたちには益々重要なものとなっていくでしょう。

 本校は仏教の教えに基づく「四恩報答」を建学の精神としており、生徒たちに常々「親や周囲の人々に対する感謝の気持ちを持とう」と呼びかけてきました。

 また、「品位・品格を備えさせる」などの教育目標の中で、「常識を備えた人間に育ってほしい」と願っています。入学時から、将来は医者や弁護士、あるいは政治家になりたいという思いを持つことももちろん悪いことではありませんが、勉強だけでなく行事を含む多様な活動に関心を持ち、いろいろな体験をするパワーを発揮してほしいと思っています。

 中高一貫校には、高校入試に時間を費やす必要がないというメリットもあるわけですが、計画的にものごとを進めてやり遂げるというプロセスなども、多様な機会を通して学んでもらえるものと思います。

 開智の中高一貫課程では、国際交流活動にも力を入れています。現在、イギリス・カナダ・北アメリカ・オーストラリア・韓国など各国諸地域で語学研修や学校交流を推進しています。

 さらに、APYLC(Asia Pacific Young Leaders Convention)の活動も今年、2年目を迎えたところです。APYLCは、アジア・オセアニア地域で有能な人材を育てようとの趣旨で、この地域の大学理事長らが発起人となって立ち上げられたプログラムで、中国・台湾・韓国・インドネシア・ニュージーランド・日本・シンガポール・オーストラリアの8カ国8校が会員校となり運営されています。

 毎年持ち回りでホスト校が決められ、2020年には開智がホスト校を務めることになっており、80人が一度に宿泊できるセミナーハウスの整備も始まりました。セミナーハウスは、クラブ活動などを通して和歌山県内や大阪南部など近隣各校の生徒が交流し、切磋琢磨できる場としても活用してもらえるようにと考えています。

 また、今年はアメリカのハーバード大学で行われているリーダー研修にも希望者が参加しました。予想以上の人数が集まるなど生徒の関心も高かったことから、来年も継続する考えです。



安全で安心な学校づくり
土井: 本校では英語の4技能のうち「聞く」「話す」といった力を伸ばすため、中1から中3まで英会話学校のネイティブによるプログラムを週1回導入し、クラスを分割して10人余りのグループレッスンを行っています。

 英語でコミュニケーションする生徒たちの様子を見て、私自身、正直驚きました。さらに高校では週1回、オンライン英会話の授業を組み入れています。

 いずれも現場の教員から要請を受けて導入を決めたもので、各教員が英会話レッスン内容を見学し日頃の授業に連動させるなど、導入の効果を上げる工夫をしています。

 また本校には長年、理系の学びを深めてきた実績があります。中学1、2年の理科の実験教育は、実験のスペシャリストの先生との2人体制とし、本校の教員も先生に教わる形で授業の質を向上させています。



御校では、スマホなどの校内持込を禁止されたそうですね。

土井: その理由は「子どもたちのプライバシーを守るため」です。例えばスマホのスイッチを入れたままにしておくと、どのようなことが起きるのか、中学生たちの意識の中には、大人の予想などはるかに超える発想があったりもするわけですから。

 学校は、子どもたちにとって最高に居やすい場所、安全・安心なところでなければいけません。スマホの持ち込み禁止は、安全・安心な学校の教育環境を保障することにつながると考えています。

 様々な意見がある中で、一旦こうと決められたならば、それを生徒や保護者に守ってもらうこと、そして先生たちと課題を共有し、同じ方向で対応することが学校として大事な姿勢ではないかと思います。



ありがとうございました。<文中敬称略>〔18.12.8号より全文掲載〕


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