教育時報社

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【論点】
“いじめ”問題と教育

<「きょういく時報」12.7.18 681号掲載>


 大津市で中学2年生の男子生徒がいじめにより自殺した問題では、「いじめと自殺との因果関係」を否定し続けた教育長の見識の低さとともに、“お役所仕事”的な側面が随所であらわになった。

 教育行政のあり方だけでなく、学校と社会との関係性も大きく問われている。

 一方、“カネのためなら何でもやる”といった社会的風潮は、もはや「異常」と見られなくなって久しく、いじめ問題にも深刻な影を落としている。

 テレビが垂れ流す「お笑い番組」では、“相手をいじる”お笑いタレントの芸風がもてはやされ、大津市のいじめ自殺事件では加害者側から「あそびのつもりだった」との声も聞かれたという。

 いじめ事件で恐喝や暴行の事実があった場合でも、これまでは警察の介入が敬遠されることが多かった。しかし考えてみると、教育現場や家庭で社会規範をしっかり教えてこなかったために、問題が起きても身動きが取れないということではなかったのか。

 大阪府では「加害生徒の登校停止を実施する」という。

 加害者と被害者が微妙に入れ替わったり、家族の中でのストレスコントロールが常にうまくいかないなど、いじめ問題には様々な側面が見られる。加害生徒の登校停止と「教育を受ける権利」との整合性が問われるのも、こうした点をふまえればこそだろう。

 緊急性の判断など教師の目にも難しいとは思うが、立場を少し変えて見ると日常的な場面の中にもピンと思い当たる節があるものではないだろうか。

 問題を抱える子どもをつまみ出すような感性ではなく、加害生徒の保護者たちをめぐる問題まで見通す現場の対応策に期待したい。




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