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「公開再検討プログラムも情報開示」
<3> 一般市民への公開透明性を重視

<「きょういく時報」07.12.18  591号掲載>




米国国立公文書館記録サービス局長
マイケル・J・カーツ氏


 機密解除は、個々の文書に対して、あるいはフォルダ内の複数の文書に対して、さらにまとまった一連のファイルシリーズに対して行うことも可能です。

 私は以前、公文書館において国務長官の書類の棚卸しをした経験があります。

 1947年から64年にかけて作成された文書でしたが、その中にはベトナム戦争中の大量虐殺に関するファイルシリーズも含まれていました。

 このように体系的にまとまりのある一連の文書についてはファイルシリーズ全体を通して一気に機密解除を行う方がメリットが高いと思われますが、場合によっては段階的に公開されていくこともあります。

 機密解除の目的は、国防などの観点から必要とされなくなった資料を排除することにあるわけですが、どのような情報が保護を必要とするのかという点については意見が分かれるものと思います。



冷戦終結後
クリントン大統領による命令が中核に



 レーガン大統領の時代の大統領命令は、機密情報へのアクセスを保障することよりも保護をすることを主眼とした内容でした。

 しかし、クリントン大統領の時代には冷戦が終結し、各省庁に対して体系的な機密解除プログラムの作成が命じられました。

 それまでの連邦政府の慣行から見ても、歴史的に大きな変更が行われたわけです。この大統領命令には「25年以上経過したものに関しては、自動的に機密解除されなければならない」という規定が、その除外項目とともに盛り込まれ、今日の中核的な指針となっています。


 実際にこの後、審査された記録のうちの91%が機密解除の対象となるなどの成果がありましたが、その中には例えば大量破壊兵器関連の情報など、本来公開情報とするべきではなかったものも含まれているのではないかという懸念がやがて議会を中心に広がり、修正条項が可決されるといった経緯もありました。

 記録の見直しが進められた結果、再度機密指定となった情報もあり、NARAでは、いくつかの省庁との間で情報開示への手続を管理するための取り決めを行いました。

 記録の再検討は、まず国民に周知した上で行うものとし、私どもは、こうした再検討のためのプログラムを、公共の利益団体をはじめ一般市民に広く告知するよう努めてきたところです。



透明性への配慮と
質保証のシステムづくりがポイントに




 2006年に始まった国家機密情報開示政策(NDI)では、このように一般市民に対する透明性への配慮が重視されています。

 また、一連の情報について、関係各省庁のエキスパートが“質保障”のためのチームを随時編成することにより、情報の所有権をめぐる判断を即座に行うことができるようにもなりました。

 NDIでは今後も、より効果的で効率的な手法の模索が続くでしょう。とくにこれからの1年間は、情報の所有権の見極めについても関係者全員でトレーニングすることが重要になると思います。

 省庁間での相談や、お互いのハイレベルなサポートが、省内での的確な判断や指示にも自ずからつながっていくものと考えています。<完>



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