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2023受験校研究/私立中高合格のポイント

同志社香里中学校・高等学校

「前・後期出願で約30名の復活合格も」
基礎的な問題で失点しないように

きょういく時報」22.11.28号掲載>




 同志社香里中高は、同志社系列校で唯一大阪府内に位置しています。併設の同志社大学・同志社女子大学には、卒業生の約98%が進学しています。

 キャンパス内には昨年、図書館とICTの融合するメディアセンター「繋真館」(けいしんかん)が完成しました。設計の思想やデザインが高い評価を受け、全国から見学者をお迎えすることにもなりましたが、図書館には専任の司書教諭が2名常駐し、論文指導も含めた充実のサポート体制が整っていることも、大きな特徴といえます。


前期・後期のセット出願がおすすめ


 2023年度の中学募集人数は、前期日程が男子約95名・女子約95名、後期日程は男子約25名・女子約25名で、前・後期合わせて240名となっています。

 入試日は、前期1月14日(土)、後期1月16日(月)、合格発表はそれぞれ入試日の翌日、午後5時にインターネットで行います。

 出願期間は、前期・後期とも、12月1日(木)午前9時から1月9日(月・祝)まで、出願方法はインターネットのみとしています。出願手続に不安をお持ちの場合など、ご来校いただければ入力をサポートさせていただくこともできますので、事前にご連絡ください。

 2022年度入試では、女子の受験者が前期・後期でそれぞれ約30名増加し、実質倍率も前期2.5倍、後期4.7倍と、前年度よりアップしました。男子は前期2.3倍、後期4.7倍で、前年度から大きな変化はなかったようです。

 過去5年間の推移を見ていくと、男女とも後期日程で受験倍率にアップ傾向が見られますが、ただこの間、インターネットによる合格発表が一般に広く行き渡ったこともあり、後半の日程で受験者ならびに合格者が絞られる傾向もうかがわれました。

 一方、実際の受験状況にさほど大きな変化は見られず、本校を第一志望とお考えであれば、前・後期のセット出願がおすすめです。ここ数年、男女合わせて約30名の受験生が後期日程への再チャレンジで復活合格を果たしており、ぜひこのチャンスを活かしてほしいと思います。

 なお、前期で合格され、後期を受験されなかった場合には後期の検定料をお返しいたします。

 入試科目は国・算・社・理の4教科です。国・算各50分120点、社・理各40分各80点で、前期と後期の間に難易度や出題傾向の違いはなく、クリアすべき基準点もありません。

 合否判定には、 ①4教科の合計点、②国・算・理の合計×1.25、③国・算・社の合計×1.25の3パターンで算出したうちの最も高い得点を用います。

 どの教科においても記述式の問題は多くはありません。基礎的な事項が問われており、基礎基本を徹底することが重要な対策となるでしょう。

 算数は、最終的な答えを間違えると得点がゼロになってしまいますので、日頃の練習でもケアレスミスをしないように意識して取り組むことが大切です。

 また、教科を問わず、問題文をよく読んだ上で「何が問われているのか」を理解してから解くようにしたいものです。では、各教科の出題傾向と対策を述べていきましょう。


各教科の出題傾向と対策


 国語は、2023年度も本文2000字~5000字程度の長文2題と、漢字や言葉に関する問題という例年通りの構成を考えています。長文問題では、思考力をためす出題が含まれるかもしれません。記述問題では、主語と述語の呼応、助詞の使い方、誤字脱字に気をつけましょう。また、指定字数以内にまとめる際には、表現を書き換える必要が生じる場合も自ずとあるわけですが、こうしたところで部分点にとどまってしまうケースが毎年目につきます。漢字の問題では、ていねいに正確に書く力も問われており、あまりに乱雑な場合は減点の可能性もありますので注意してください。得点が開きやすいのは、小学生が日常使う機会の少ない言葉といえるでしょう。2022年度の出題例では「たいへいのよ」(太平の世)、「かみする」(加味する)、「自重する」(じちょうする)などの読み書きで正答率が低迷しました。耳慣れない言葉にも関心を持ち、時には例文を作ってみたりしながら理解に努めるようにしたいものです。

 算数は、2023年度も前年度とほぼ同様の出題形式、問題量、難易度の出題を想定しています。計算問題が小問で3~4題、数量に関する問題が大問で3題、図形の問題が大問で3題、うち1問は独立した小問3、4題の構成とし、立体図形、平面図形ともに出題を予定しています。計算問題は、正答率が毎年90%と高いので、確実に正解する必要があるでしょう。また、各大問の(1)を間違えると(2)以降の解答に大きく影響しますので、(1)での計算ミスは極力避けたいところです。数量に関する問題は、難易度自体それほど高くないのですが、問題文の内容をきちんと理解する必要があります。2022年度は、図形問題で影になる部分をイメージできるかどうかで明暗が分かれました。基本問題を落とさないことと合わせて、解けそうな問題をすばやく選択する力なども身につけておきたいものです。

 社会は、地理・歴史各30点、公民20点の計80点満点となっています。歴史的分野の30点のうち“江戸時代まで”と“明治以降”が約15点ずつの配分になるよう作問したいと思います。時事問題は分野を問わずに出題していますが、年の瀬に発表される「今年の重大ニュース」なども見ておくとよいかもしれません。また、教科書に漢字で表記されている語句や人物名などは、いずれも漢字で書けるように練習しておきましょう。例えば「漢字4字で書きなさい」など、問題用紙に枠囲みで指示があると思いますので、見落とさないよう注意し、着実に得点してほしいと思います。

 理科は、物理・化学・生物・地学の4分野から、それぞれ大問2~3を出題の予定で、例年通り80点中、平均点が65~70%となるように作問にしたいと考えています。教科書に載っている内容をしっかりまとめておいてほしいと思います。物理では「てこ」の問題、化学では「水溶液」の問題など、比例計算を含む問題が毎年1題か2題は出題されており、比例計算によく慣れておくことも必要といえます。本校には理科実験室が9室あり、中2で新たに「探究理科」の授業も始まりました。入試対策と同時に、日頃から身の回りの自然、様々な現象にも興味を持つようにしてほしいと思います。


高校は作文・書類の総合評価


 2023年度の高校募集人数は男子30名・女子30名となります。2月10日(金)、作文(60分)とグループ面接による入試を行います。

 総合評価方式により、提出書類140点、作文試験10点、合計150点満点で得点の高い方から合格者を決定させていただきます。なお面接の点数化はいたしません。

 提出書類には、個人報告書の教科評定(90点満点)、クラブ活動の戦績(15点満点)、生徒会活動等(10点満点)、3級以上の英検・数検・漢検(20点満点)、習い事など自己推薦の評価点(5点満点)があり、詳細は入試要項で確認いただければと思います。

 ちなみに2022年度は例年よりも募集人数が少なかったことなどもあって、合格最低点が若干アップし、男子120点、女子122点となりました。

 出願は1月25日(水)から27日(金)まで、窓口持参または郵送により受け付けます。入試要項は、本校ホームページよりダウンロードしていただけます。


(お話は同志社香里中高 牛尾武史先生)


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