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2023受験校研究/私立中高合格のポイント

関西大倉中学校・高等学校

「様々な加点制度を活用できる」
創立120周年で教育施設も一新

きょういく時報」22.11.28号掲載>




 関西大倉学園は今秋、創立120周年を迎えました。施設・設備のリニューアルが完了し、明るく開放的なキャンパスへと生まれ変わりました。

 空きスペースを有効に活用したサイエンスラウンジ、コミュニケーションラウンジなど、生徒たちが自由に使えるコーナーも充実し、様々な形での活用が始まっています。


「読書家の時間と作家の時間」


 また、本校では中学1・2年生のカリキュラムに「読書家の時間と作家の時間」を組み入れています。読むことを通して他者の志向や感情を理解するとともに、書くことを通して自分の考えを整理し、より広く深く考えられるよう、ここでは敢えて教科書を離れ独自の学びを展開します。

 中2から中3にかけて、図書室の貸出冊数が一人当たり4.4倍に伸びたという報告もあり、手応えを感じています。

 さらに今春の中学1年生から、グローバルコンピテンスプログラムをスタートさせました。ネイティブによる英会話の授業にとどまらず、コミュニケーション力や国際理解を深め、自分の考えを相手にきちんと伝えるための取り組みとしてステップアップさせていきたいと思っています。


A1入試は4科・3科・2科選択


 2023年度の中学入試も、従来どおり約140名の募集となります。入試は計4回行い、A1日程は1月14日(土)午前、A2は同日午後、Bは1月15日(日)午後、Cは1月17日(火)午前に実施します。

 初日のA2は入試開始時刻が午後5時となっており、遅刻対応は行いません。出願はWeb方式で、全日程とも12月9日(金)に受付スタート、A1日程は1月12日(木)午後3時まで受け付け、A2・B・C日程は入試当日も出願を受け付けます。

 入試科目は、A1日程が「国算2科」「国算理の3科」「国算理社の4科」の出願時選択。2022年度は、A1受験者の33%が2科、32%が3科、35%が4科で受験をされました。

 A1日程以外の入試科目は国算の2科のみです。試験時間と配点は、国・算が各50分・各100点満点、理・社は各40分・50点で、400点満点による換算点を用いて合否判定を行います。

①[国+算]×2=400点
②[国+算]×1.5+[理]×2=400点
③[国+算]×1.5+[理 or 社(高得点の方)]×2=400点

 4科受験者は①・②・③から最も高い得点、3科受験者は①・②のうち高い方、2科受験者は①の得点で合否を判定します。

 また、複数回受験に伴う加点制度や、英検取得者への加点優遇制度もご利用いただけます。英検4級の取得者には10点、3級15点、準2級以上30点を入試合計点に加算し、A1日程については各2倍の加算を行います。中学受験では、英検を利用される方の割合がまだ少ないとはいえ、人数は年々微増しています。

 2022年度入試では、A1・A2とも男子を中心に受験生の回復傾向が見られ、B日程も前年度並みを維持する結果となりました。なおC日程は、受験料を他の日程の半額に設定しており、最後まで諦めず本校の入試にチャレンジしてほしいと思います。


中学入試の出題ポイント


 本校では今秋も、小学6年生対象プレテスト(無料)を実施しました。入試当日と同一時間、同レベルの問題に取り組むことができ、プレテストの出題は入試対策としても役立つでしょう。

 出題傾向に変化はなく、本校ホームページから過去問をダウンロードし、繰り返し取り組んでおいてください。では教科別の出題ポイントを簡単にまとめておきましょう。

 国語は毎年、説明文・小説・漢字の読み書きの大問3題を出題しています。抜き出し問題では、正確さを欠く答案が目につきます。また、説明問題では、問いに対する正確な答えができていないもの、日本語として意味が通じないものも見受けられます。小説は、心情の読み取りなど比較的よくできていますが、説明や状況を順序だてて記述するのが不得手な人もいるようです。漢字の問題は、思い込みで誤った漢字を書いたりしないように、問題文をよく読むこと。答案を見返す習慣も身につけておきたいものです。

 算数では、「文章や図、資料を正しく読み取る力」「計算の方法を考え、正確に計算する力」「試行錯誤して、いろいろな場合を一つずつていねいに考えようとする姿勢」が問われます。分数と小数の混じった計算も、きちんと処理できるように練習しておいてください。

 理科は毎年、物理・化学・生物・地学分野から基本的な問題を多く出題しています。2022年度は、豆電球の問題、ばねの問題、気体の性質、溶解度、身近な生物、地層の問題を出題しました。問題文を丁寧に読み、順序よく考えることが大切です。漢字や計算でミスをしないように注意しましょう。

 社会は、2022年度も第1問は環境・地理問題でした。国連や貿易品に関すること、山や河川、各最端の島の名称にも引き続き要注意です。第2問は歴史分野からの出題でした。漢字で答えるよう指定がない場合は、無理せずひらがなで答えても構いません。基本的な用語や事柄について正しい知識を身につけておきましょう。


英検による得点読み替え活用も


 2023年度高校入試の募集人数は、「特進Sコース」約35名、「特進コース」約160名、「総合コース」約120名、試験日は2月10日(金)、試験科目は5教科で面接はありません。

 英語外部検定制度による優遇制度も設けており、大阪府立高校で導入されている読み替え制度に「英検準2級」を加えたものとなっています。読み替え率により換算した点数と、英語の本試験の点数を比較して高いほうの点数を英語の成績にすることができ、多くの受験生がこの制度を利用してくれています。徐々に英検2級取得者の割合が増えてきているようです。

 2023年度の中高入試においても、本来の入試日とは別日程の「感染症等対応日」を設けます。出願された方が対象で、中学入試は1月29日(日)、高校入試は2月25日(土)を「感染症等対応日」といたします。コロナ感染症やインフルエンザ、通常の風邪などによる受験生本人の発熱に加え、ご家族の方に異変が生じた場合にもご連絡をいただければ適切に対応させていただきます。


(お話は関西大倉中高 松村健司先生)


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