教育時報社

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「日本人の英語はなぜ間違うのか?」
マーク・ピーターセン著


<「きょういく時報」15. 5.18 734号掲載>




 日本人が英語を学ぶ上で一番気になるのは、時制や冠詞、数に関する問題ではないだろうか。英語をあれほど“勉強”してきたはずなのに、「日本人の英語はなぜ間違うのか?」。

 英語では伝えたいことを表現するため、「現在形・現在進行形・現在完了形・現在完了進行形・過去形・過去進行形・過去完了形・過去完了進行形・未来形・未来進行形・未来完了形・未来完了進行形」と、12の時制をごく普通に使う。

 ところが日本の中学校英語教育では、そのうちの6つしか紹介されてない。ここがまず、大きな問題点の一つだと著者は指摘する。

 日本人は、例えば、
@「昨日、僕が電車に乗っている間に」(While I was on the train yesterday,…)、
A「僕は、今、電車に乗っているところなんだけど」(I am on the train now…)、
B「明日その時刻には、僕は電車に乗っているだろう」(Tomorrow at that time, I think I will be on the train.
など、過去・現在・未来を問わず、「〜ている 」の語を実によく使っている

 英語では「am, was, will be」など、“時”によって動詞が使い分けられるが、日本語の場合は“時”によって動詞(複合動詞)の語尾が変化することはない。この基本的な違いを無視して正確な英文を書くことなどできないという。

 大学生の英作文答案が添削されていくプロセスが紹介されているのも大変興味深い。

 一方、日本の中学2年生の教科書には「So I’m practicing cooking every day」(私は、料理の練習を毎日今の瞬間にしている途中だ)のような迷文があることも著者は指摘している。

 「the countries of Asia」(アジアの国々すべて)と「countries of Asia」(アジアの国々)など、基礎的文法だが外交的にもかなり重要
な要素が中学英語に含まれていることにも気づかされる。

 現在の指導要領に基づく中学校英語教科書のあり方への鋭い提言が貴重だ。

 著者は明治大学政治経済学部の教授で、在日30年以上の知日派。日本の言語にも深い造詣がある。英語の先生はもちろんのこと、中高生・大学生に是非読んでほしい一冊といえる。<N>



 『日本人の英語はなぜ間違うのか?』マーク・ピーターセン著
集英社インターナショナル発行・集英社発売(A5版・定価1000円+税)



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