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≪インタビュー≫

「世界が注目する日本国憲法」
“国民に知らされない秘密”の中身


<「きょういく時報」14.3.18 711号掲載>




おおさか女性9条の会
シスター
マリア・コラレス


―― 特定秘密保護法案が国会で強行採決されたのをごらんになって、どのように感じられましたか。

コラレス特定秘密保護法案は、「国民には何も知らせないでおこう」という考えで作られたものだと思います。

 そもそも何が秘密なのかも私たちには知らされないなど、とても受け入れられる内容ではないでしょう。

 そうした強い反対意見が国民の間にあることを十分に知っているからこそ、安倍政権は特定秘密保護法をつくり、(不都合なことは)私たちの耳に入らないようにしたいのではないかと思ってしまいます。

 これから自分がやろうとしていることを「知られては困る」「反対されたら困る」。自分たちの考えていることを実現するためには、特定秘密保護法案を成立させることがどうしても必要だったのではないですか。

 「国家安全保障」の掛け声も聞こえてきますが、考えているのは恐らく国家のことだけでしょう。

 国民のことは考えられていませんね。人間のことは考えていない、つまるところ“国民安全保障”は考えられていないようです。



『日本国憲法』を世界文化遺産に


 日本国憲法の前文には、「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」と書いてあります。

 人権としての平和、権利としての平和がうたわれているのです。

 戦争、貧困、構造的な暴力、差別をなくすなど、憲法に書かれていることを、私は全て活かさなければいけないと思います。

 「平和のうちに生存する権利」というものは、奪われてはならないものなのです。

 日本の憲法は今、世界の人々からも注目されています。その内容は、世界文化遺産に認定してはどうかと思うほど素晴らしいものです。

 世界文化遺産になれば、日本政府も勝手に変えることが出来なくなるでしょう。世界のものになるわけですから。

 国民が皆一緒になって日本国憲法を守っていかなければと思います。



「主権在民」とは、国が守るべきルール


―― 憲法の前文には「主権在民」がうたわれています。つまり、憲法は「国が守るべきルール」であると述べられているわけですが。

コラレス:その通りです。だから私たちは、政府が今何をするべきなのか、主権者として発言していかなければと思うのです。

 ところが、こんどは憲法解釈までも全て政府が言うままにしなければいけないというのですから…。

 「住民」というのはそこに住んでいる人のはずですが、そうではなくて、従う民にしよう、“従民”にしてしまおうというのでは、今の憲法が持っている本来の意味が正反対にひっくり返されてしまいます。

 そんなことは、とっても許されないでしょう。

 私は、子供たちでも十分理解できることを、どうして政府にはできないのかが不思議でならないのです。

 子供たちでも理解できることを、政府がすべて(都合よく)解釈してしまうことが、納得できません。

 私たちは「住民」です。従うことしかできない“従民”になることは、民主主義ではないと思います。

―― ありがとうございました。<文中敬称略>



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