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労基監督の民営化で労働環境さらに厳しく
6月に答申予定


2017.4.24


 労働基準監督業務の民間活用化が検討されている。

 社会保険労務士(社労士)が監督業務を代行する案が、厚生労働省の「労働基準監督業務の民間活用タスクフォース」(主査:八代尚宏 昭和女子大特命教授)で検討されており、6月に安倍総理大臣へ提出する答申に盛り込む予定だといわれる。

 社労士にとって、主な得意先は企業や経営者。そこに、行政が企業の労働基準監督業務を任すとなったら、その企業ではたらく労働者は、労基法違反があった場合どこに駆け込めばよいのだろうか。

 社会保険労務士政治連盟を持ち、政治に圧力を持つこうした団体が、果たして労働者の立場に立った仕事が出来るのか疑問だ。



 非正規労働者の人々が多く利用する人材派遣会社、その事業も、ここ数年急激に成長している。昨年の総務省調査では、総労働数5.267万人に対し、非正規労働者数が37.1%を占め、前年同期より31万人増の1953万人になったという。

 ハローワークでは「求人票の記載内容と実際の労働条件が相違する」との届け出件数が、平成27年度中、全国で1万件を超えた。「研修だから日当は出さない」「給与明細を渡さない」「交通費は出さない」「8時間労働となっていたが、実際は10時間労働で、1時間の休みもまともにとれない 」など、労働基準法違反に当たる事例が、頻繁に聞かれるのが現状だ。

 今日の厳しい労働環境の中で、働く人々にとって、労働基準監督官の果たす社会的役割は益々重要になってきている。

 だが、日本の労働基準監督官や、労災・安全の問題にかかわる職員の割合を先進諸国で比較すると、ドイツ、イギリス、フランスより少なく、アメリカより若干高い状況だといわれる。


 
 小中高等学校、さらに大学では、教育改革が進められている。将来の有望な人材を育てようと、対人関係を基本としたコミュニケーション能力の育成が教育にとって重要な課題にもなっている。

 人を活かすのではなく、“土台”“踏み台”に使う。社会へ出たとたん、そのギャップに若者が押しつぶされていく危険性が大いに感じられる。(N)


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https//news.yahoo.co.jp/byline/konnoharuki


 

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