公立大学協会(会長・清原正義兵庫県立大学学長)は、2月6日文科省に高大接続改革に関しての意見書を手渡した。
その中で公大協会側は、大学入学希望者学力評価テスト(仮称)で提案されている、共通テストの記述式試験の導入について高く評価しつつ、2つの懸念事項を示した。
ひとつは
「国語等における記述式試験の導入に関し、とくに小規模大学において、採点者の確保、採点スケジュールの設定などに関し、不安が大きいことから、それぞれの大学の判断により柔軟に活用可能な制度設計を行う必要がある」
とし、ふたつめとして
「英語における資格・検定試験の活用など、段階的評価を含め新たな制度設計の検討が進められているが、その際受験生の多様性、例えば居住する地域、家庭の経済状況、学習環境等に対する十分な配慮を要望したい」
としている。
また、個別試験においても、
「公立大学の入学者選抜では、その教育の使命に即した公共性と、受験生の立場に立った公平性・公正性を両立させるために、従来より工夫と努力を積み重ねてきた。既に、多くの大学では小論文試験だけでなく、国語、数学、総合問題などの科目においても記述式試験を実施している。個別試験において、学力の3要素を重視し、各大学のアドミッション・ポリシーに即した選抜への改革をさらに進めるためにも、大学への新たな負担増につながらないよう留意が必要」
と述べている。
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