―― 先生は文化人類学の中でも言語人類学がご専門とのことですが、そもそも文化人類学を専攻された動機は。
井上准教授:私はもともと英語の勉強をしていたのですが、ゼミで人類学の先生に教えていただいたことがきっかけで学際研究のプログラムに進みました。そのうち特定の学問分野で学ぶことの大切さに気づくようになり、人類学の勉強を本格的に始めました。現在は言語人類学を研究しています。
文化人類学は他者を理解するための学問です。現地でのインタビュー、観察や記録などのフィールドワークが研究の中心を占めるといってもよいでしょう。
「当たり前に見える」ことに疑問を持つのも大変重要なことであり、私の今の仕事もそうした思いが出発点になっていたような気がします。
私の同僚などはよく「日本人はなぜ新聞などのメディア情報を鵜呑みにしてしまうのか」と不思議がります。「一つしかない情報源を皆で引用し合っているようだ」と言った人もいました。
アメリカでは、メディア・リテラシーを普及するNPO団体などが、メディアの情報をどのように賢く消費するか、その方法や必要性を広く一般にわかってもらうための運動に力をいれています。
― 本紙記事より抜粋 ―
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