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【論点】

高校無償化をめぐって懸念される三党合意

 
きょういく時報」25.2.28号掲載>


 国会で論議されていた、いわゆる高校無償化について、自民・公明・維新の三党合意の中に、私立高校の生徒一人当たり就学支援金を現行の約39万6000円から45万7000円に引き上げることや、大阪府以外の自治体で実施されてきた所得制限を撤廃することなどが盛り込まれた。



“見せガネ行政”にならぬよう


 もともと、関西では「私立高校へ行かせたいが、経済的理由で難しい」といった保護者等の声に押されて私立高校のいわゆる無償化が進められてきた。

 そうした趣旨からすると「所得無制限」化は、少し道筋が違うように思われる。

 人気の高い私立進学校の受験に際しては、「助成があろうがなかろうが、わが子の将来と目標を考えた場合の応能負担と感じている保護者等も多い」との話を進学塾関係者の人々からも聞く。

 また大阪府には独自の「キャップ制」があり、私立高校の「授業料等」の額が63万円を超えると私学側が差額を負担しなければならない。

 が、受益者負担の面からも不合理だし、納付金の金額を行政が拘束することはできず、私立学校法に照らしても「キャップ制」は即刻やめるべきである。

 一方、財源確保についてはこれからと政府は言うが、財源確保のための消費税、所得税引き上げが待ち受けるというような“見せガネ行政”にだけはならぬよう願う。

 ちなみに文科省統計によると、全国の公立高校に対しては生徒一人あたり年間約120~130万円の税金が投入されている。

 私立高校に対しては、私学振興助成法で、公教育費用の2分の1をめどに私学助成を行うとされており、国からの私学経常費補助ならびに保護者からの納付金が、私立学校経営の財源として二本の柱になっている。

 現在文科省が実施している各私立諸学校への経常費補助の財源は、地方交付税と国庫補助金により措置されている。

 ところが、地方交付税の場合は自治体の都合で組み換えができるため、例えば大阪府の場合、各私立高校への支給額は生徒一人当たり、国からの支給額より1万6048円減額されて34万2100円、私立中学校は7万2532円減額されて27万7525円の支給となっている。

 国の私学経常費補助は地方交付税ではなく、国庫私立学校補助金として用途目的指定をするべきではないのだろうか。<N>



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