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地方の時代/わが府県の教育改革

「『絆』を深め『在りたい未来』を創造する力」の育成について

兵庫県教育委員会
藤原 俊平 教育長

 
きょういく時報」25.1.18号掲載>


 新春を迎え、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

 本県の教育は、個人の尊厳を重んじ豊かな人間性や創造性を育む「こころの豊かさ」の育成を基調に、社会全体で連携・協働し子どもたちの成長を支えていくことを重んじてまいりました。

 そのようななか、昨年4月には、「絆を深め、在りたい未来を創造する力の育成」を重点テーマに掲げた本県の教育基本計画「第4期ひょうご教育創造プラン」をスタートさせました。

 このテーマの実現に向け、「予測困難な時代を生き抜く力を育む教育の推進」「すべての子どもたちが自分らしく安心して過ごせる学校・家庭・地域等の構築」「安心・安全で質の高い学びを実現する教育環境の整備・充実」の3つの基本方針に基づき、様々な取組を推進してまいります。

 また、これまで兵庫の教育が大切にしてきたもの、取り組んできたもの、新しい時代の教育に求められているものなど、学校・家庭・地域・行政等が連携・協働しながら社会全体で、教育を見つめ直し考える機会を設けるため、11月1日を新たに「ひょうご教育の日」と定めました。

 阪神・淡路大震災を乗り越えた経験と教訓、そして、大切にしてきた「絆」をこれまで以上に深め、子どもたちが自分らしく安心して過ごせる環境の構築と、予測困難な時代を生き抜く力を育むことを目指していく所存です。

 折しも、本年1月17日には阪神・淡路大震災から30年目の節目を迎えます。全県的には、「忘れない」「伝える」「活かす」「備える」「繋ぐ」を基本コンセプトとし、教育委員会でも児童生徒に対して、震災の記憶を伝え、次世代への記憶の伝承を図るとともに想定される巨大災害へ備えるため、「阪神・淡路大震災30年記念事業」に取り組みます。

 これからも、震災の記憶が風化することを防ぐとともに、その経験や教訓をいかし、主体的に判断して実践する力、助け合いの心やボランティア精神等の共生の心を育成する、「兵庫の防災教育」を推進していきます。

 喫緊の課題であります不登校対策についても力を入れてまいります。全県一丸となり、「ひょうご不登校対策プロジェクト」を推進していきます。取り組みとしては、子どもたちが安心できる居場所として設置する校内サポートルームに不登校対策支援員の配置を進めています。

 また、大学生がオンライン等で学習支援等を行う「ハートフレンド人材バンク」、不登校児童生徒や保護者向けにフリースクール等と連携した相談会など、学校内外において個々の児童生徒の状況に応じた支援を引き続き展開していきます。

 義務教育においては、「兵庫県部活動地域移行推進計画」を策定し、令和8年度に向けてそれぞれの市町が実情に応じた地域移行を進められるよう支援をしています。中学生がスポーツや文化芸術活動に継続して親しむことができるような活動機会の確保、教職員の負担を軽減する環境づくりにつなげていきます。

 高等学校では、「県立高等学校教育改革第三次実施計画」により進めてまいりました県立高校の発展的統合校6校が7年度に開校を迎えます。今後も、県立学校の魅力・特色づくりの推進、各地域における望ましい学校規模や配置、入学者選抜制度・方法の工夫と改善を着実に実施します。

 特別支援教育では、今年度にスタートしました「特別支援教育第四次推進計画」に基づき、連続性のある多様な学びの場における教育の充実(縦の連携)、連携による切れ目ない一貫した相談・支援体制の充実(横の連携)の成果を礎として、縦と横のさらなる連携に取り組みます。

 また、各地域の実情や児童生徒数の動向に注視しながら、校舎の建替や増築等、学校の整備を進めていきます。

 今後とも、兵庫が大切にしてきた教育を継承しつつ、兵庫や日本の未来を創造していく人づくりを推進していきます。

 本年が、皆さまにとって明るい年になることを祈念して、新年のご挨拶といたします。

※以上全文掲載


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