教育時報社

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地方の時代/わが府県の教育改革

ワクワクを創発する大阪府の教育行政

大阪府教育庁
水野 達朗 教育長

 
きょういく時報」25.1.18号掲載>


 年頭にあたり、謹んで新年の御挨拶を申し上げます。

 いよいよ本年4月に、2025年大阪・関西万博が開幕します。「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマとする大阪・関西万博では、世界中の人々と交流する機会となるだけではなく、最先端技術の体験や各国のパビリオン見学等を通じて、子どもたちは未来社会を体験することができます。

 府教育庁では、このような体験はSDGsの達成に向けた貴重な学びの機会となるとともに、子どもたちがこれから直面する様々な社会課題について考えを深めるきっかけとなる、絶好の機会になると考え、2025年日本国際博覧会児童・生徒招待事業を実施します。

 この機会を活かし、子ども一人ひとりの可能性を最大限発揮できるよう、将来を生き抜く力を育む教育を実現したいと思います。

 本府の第2次教育振興基本計画も今年は3年目を迎えます。将来が予測困難な変革期にある中、その変化に対応しながら、すべての児童・生徒が自らの人生を切り拓いていけるよう、「一人ひとりの良さや可能性を引き出し、最大限伸ばす教育」の体制を整え、「子どもたちの多様性に応じ、誰一人とり残さない教育」に取り組んでまいります。

 令和5年度の国の問題行動・不登校等調査の結果、全国の不登校者数やいじめの認知件数、暴力行為の件数は軒並み過去最多となり、本府も全国と同様に増加しています。

 不登校支援においては、児童・生徒の学びへのアクセスを保障することが重要であり、学校と家庭をつなぎサポートする取組みや学びへのアクセスのための環境づくりを進めています。また、校内教育支援ルームの設置等、早期の段階から適切な支援につなげ、新たに不登校となる児童・生徒を未然に防ぐ施策をより一層強化してまいります。

 昨年8月、大阪府学校教育審議会から「府立高校改革の具体的な方向性とそれを踏まえた入学者選抜制度のあり方について」の答申を受けました。多様化する生徒や保護者のニーズに対応するため、一人ひとりの生徒に応じた多様で柔軟な学びを実現することや、すべての生徒が学びを通じて自身のキャリアを考え、変化の激しいこれからの社会を力強く生きていくことができるよう導くことが求められています。

 昨年、普通科の教育内容の充実及びさらなる魅力化・特色化に向け、外部機関と連携した探究的な学びを行う「学際領域に関する学科」及び「地域社会に関する学科」の設置を決定しました。今後、答申を踏まえ、各校がそれぞれの「強み」をしっかりと捉え、発信するとともに、生徒等のニーズに応える学校づくりを支援してまいります。

 また、新たな高校入学者選抜の制度につきましては、今年、中学校に入学する生徒が高校を受験する、令和10年に実施する入試での導入に向け、各方面からご意見をいただきながら検討を進めてまいります。

 本府では、大阪の子どもたちの「学び」と「はぐくみ」を支えるため、「大阪教育ゆめ基金」を設置し、子どもたちの学力向上を図る取組みや、子どもたちの豊かな心をはぐくむための取組みなどに活用してきました。昨年からは、公私問わず、母校や応援したい府内の高校等を個別に選んで寄附ができる「母校応援ふるさと納税制度」を新たに創設しました。

 本基金は、個人からのご寄附は「ふるさと納税制度」の対象となっており、企業からのご寄附についても「企業版ふるさと納税制度」を活用することができます。「企業版ふるさと納税制度」は、寄附を通じて社会貢献や事業展開などにも活用でき、税負担の軽減だけでなく、企業のPRやSDGsへの寄与などのメリットもあります。

 府としましては、「大阪教育ゆめ基金」を活用することで公教育への投資の総量を増やし、更なる教育の充実を図ってまいりたいと考えております。

 府教育庁では「ポジティブにアクティブにクリエイティブに、ワクワクを創発する大阪府の教育行政」とワークポリシーを定め、教育振興基本計画の確実な遂行に取り組んでいます。昨年より、府教育庁のホームページをリニューアルするとともに、SNSを通じて大阪の教育の取組みを積極的に発信する等、積極的なプロモーションに取り組んでいます。

 今後は、ICTを積極的に活用する等、教育のさらなるDX化を進めながら職員とともに「ワクワク仕事」を生み出し、大阪の教育力向上のため、力を尽くしてまいりますので、本年もお力添えをよろしくお願いいたします。

※以上全文掲載


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