同志社香里中高は、同志社系列校で唯一大阪府内に位置しており、卒業生の約95%が併設の同志社大学・同志社女子大学に進学しています。
2025年度中学入試の募集人数は前年度と同様、前期日程が男子・女子約95名ずつ、後期日程は約25名ずつ、合わせて約240名です。
前期日程には、同志社小学校ならびに同志社国際学院初等部からの「内部進学生を含む」との表現が新たに加わりました。
各教科の出題傾向と対策
2025年度中学入試も出題傾向は例年通りです。各教科の出題傾向と対策を見ておきましょう。
国語 は例年、2000字から5000字程度の長文2題を出題しています。2024年度の前期入試は、説明文と小説、後期は随筆と説明文の組み合わせでした。ほか漢字の書き取り、読み、仮名遣い、慣用句の意味や接続詞・副詞の使い方、文の書き換えなども出題しています。
漢字は小学校で習うものだけを出題し、丁寧かつ正確に書く力を重視しており、乱雑な場合は減点することもあります。また、今春は「政局」「小康状態」などの書き取り問題、「皮算用」「画策する」などの読み取り問題で得点差が開きました。このような語彙にも触れるような学びを期待しています。
文章問題は設問をよく読み、何が問われているかを正しく捉えることが重要です。その上で、必要な要素を見分け、指定字数等に合わせて取捨選択し、適切な表現に直しましょう。
解答を読み返し、必要な要素が全て盛り込まれているか、語句をまとめる必要があるか、助詞の使い方は間違っていないか、主語と述語が一致しているか、誤字脱字はないか、などチェックするのも良い方法です。
記述問題では部分点が与えられることもよくあります。
算数 は例年、前期・後期とも計算問題を小問で3問から4問、数量に関する問題を大問で3問、図形についての問題を大問で3問出題しており、2025年度もほぼ同様の構成になるでしょう。
還元算、分配法則、部分分数の基礎的な計算にも日々取り組み、早く正確に解けるようにしておいてください。計算問題は例年ほぼ90%の正答率となっています。
数量に関する問題では、文章の読解力を高め、正確に状況を分析できるように。
2024年度の後期入試では、いわゆる年齢算の問題で得点差が開いたようです。グラフや図表で与えられる情報を正確に読み取る練習も必要でしょう。
また、各大問の(1)を間違えると、(2)以降に大きく影響することがありますので、特に(1)は設問の内容をよく理解した上で解くよう心がけてください。
図形に関しては、長さ、角度、面積、体積などの過去問が見られます。過去問は基本問題を全て確実に解き、標準問題もできるだけ多く解けるように。限られた時間内で、自分が解けそうだと思う問題を選ぶ練習なども有効だと思います。
社会 は、地理・歴史各30点、公民20点の計80点満点です。歴史的分野は“江戸時代まで”と“明治以降”が約15点ずつの配分になるよう構成しています。
主に教科書に記載されているレベルの出題で、図、表、グラフにも目を通しておいてください。
時事問題は、新年1月初旬までの出来事を出題範囲としています。2024年度入試では「グローバルサウス」や、地方議会の選挙に関する出題も見られました。1年間を振り返り、大きなニュースをまとめておくとよいでしょう。
また、教科書に漢字で表記されている語句や人物名などは、正確な漢字で書けるように。設問の指示に従って解答することも重要です。
理科 は例年4分野から満遍なく出題しています。配点は各分野約20点ずつ、合計80点満点です。各分野2~3題の大問からなり、2025年度もほぼ同様の構成、難易度を想定しています。
2024年度の後期入試では、輪ゴムの力で走る車を用いた物理分野の出題で、正答率が67.8%となりました。この辺りが合否の分かれ目として目安になるのではと思っています。
また季節の変化にまつわる設問では、身の回りの自然に常々興味を向けておくことの大切さが実感できたかもしれません。
一方、教科書の基礎的な内容をまとめる中で、実験器具の名称や使い方を確認し、図やグラフ、データが何を示しているのかをよく理解しておいてください。比例計算に習熟し、計算結果は小数で解答できるように。
高校は作文・書類の総合評価
2025年度高校入試も募集人数は男子・女子約30名ずつ、合わせて約60名です。
新たにWeb出願システムを導入し、インターネットによる出願情報登録期間は1月16日(木)9:00から30日(木)15:00までとなります。
入学願書は1月28日(火)から30日(木)まで、窓口持参または郵送で受け付けます。
(お話は同志社香里中高 中瀬古佳史先生) ※本文より抜粋
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