本校は、2025年に創立60周年を迎えます。生徒の自主性を育む多面的な取り組みを推進する中、伝統の「20分テスト」と併せ、今春、アダプティブ・ラーニングの本格運用もスタートしました。
2025年度の中学入試も、4科、2科、1科、さらには英語入試、適性入試、帰国生入試など、受験生の皆さんがそれぞれの“得意”や日程に合わせて選択できるよう、8パターンの入試区分を設けています。
1科入試は、国語か算数のどちらか1科で受験できるもので、飛び抜けた“得意”を持つお子さんたちのチャレンジに期待をし、3年前に導入したものです。得意科目を持っていると、他の科目もそれに引っ張られるように伸びていく傾向もあるようです。
本校ならではの教育環境のもとで個性をさらに伸ばしてほしいと思っています。
本校のオープン模試には毎秋、多くの小学6年生が参加してくれており、模試の分析と実際の入試結果との間に高い相関が見られます。
各教科で時間配分など練習も
2025年度入試の出題傾向も、例年とほぼ変わりありません。本校のホームページに数年分の過去問をアップしていますので、ぜひダウンロードして取り組んでおいてほしいと思います。
前年度の入試分析を踏まえ、各教科の出題傾向とアドバイスを紹介しておきましょう。
国語は、前期A・E入試において記述式の設問も出題します。主語と述語の対応、修飾する語と修飾される語との対応、適切な文末表現など、文を書く際の留意点を再確認しておくとよいでしょう。
誤字脱字等による減点も目につきます。答案を書き終えたら一度自分で読み返す習慣を、普段から身につけておきたいものです。
前期B入試および中期・後期入試では、記述式の設問を出題しません。前期Bでは今回、漢字の書き取りや語彙力に弱さが見られました。
日頃の学習で、わからない言葉に出合ったらその都度辞書を引き、言葉の意味をノートに記録するようにしていくと、言葉が自分のものになっていくのを実感できると思います。
なお後期入試には毎年、聴き取り問題も加えています。
算数は、代表的な受験算数の問題から幅広く出題します。第1問は計算や単純なパターン問題で構成されており、落ち着いて取り組み、正解できるように。各大問は最初の設問が取り組みやすく、それらを落とさないことも合格のポイントといえます。
難しい問題も誘導をつけて考えやすくしていますので、過去問で出題形式に慣れておいてください。
理科は、実験や観察事実をもとに科学的思考力を問う出題を心がけています。小学校で学習する内容に、日常経験する様々な出来事を加え、物理・化学・生物・地学の4分野から均等に出題します。
試験時間30分の時間配分を考え、手のつけやすいものから解いていくなど解答の順番まで考えるようにすると、さらに高得点が見込めるでしょう。
社会は、地歴公の3分野がほぼ同配点になるように出題しています。
基本的な問題を中心に、今後の学習に必要な知識が身についているかどうかを確認したいと思っています。小学校での授業をおろそかにせず、教科書に載っている表やグラフなどの細かいところまで気を配り、学習した人が高得点を得ています。
また、普段から用語を漢字で書いて覚えることができていたかどうかなども成否の分かれ目となったようです。
英語は、リスニング問題も含めて全体的によくできていましたが、第3問の文法に関する問題と第4問の並べ替え問題の正答率はやや低くなりました。
また、ほどよいレベルの読み物として学生向けの英字新聞なども活用し、幅広い話題に触れておくとよいと思います。
(お話は金蘭千里中高 中村聡太先生) ※本文より抜粋
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