中学入試の出題傾向と対策
国語:出題内容、意図は例年通り。問題量は例年並みであったが、評論、小説の本文が長めであった。
また、言語知識を問う問題および評論の読解問題がやや難化した。記述問題においては何を問われているかを理解しないまま書いたと思われる答案が散見された。まずは落ち着いて問題文を読むことが大切である。
言語知識を問う問題を素早くこなし、読解問題に時間をかけられるような訓練を積んでほしい。
算数:例年通り、計算力、発想力、論理的思考力を問うため、基本的な問題から、発展的な考え方を必要とする問題にいたるまでバランスのとれた幅広い出題。また、70分でしっかりと解ききれる分量を想定している。
今年度入試は、「場合の数」「作業により規則を見いだす問題」「空間図形」が難しかったように思われる。したがって、前半の設問1~4はよくできていたが、設問5以降はあまり出来がよくなかった。
理科:例年通り4分野からの出題。問題数は昨年通りだが問題文の量は増加。図や表の読み取りを含め、よく読んで状況を理解しなければならない問題が増加した。
物理分野が難かしかったため、生物分野の知識問題、化学分野の計算問題、地学分野の出来によって点差が開いた。知識や思考力などバランスよく理科の実力が反映するセットであったと思われる。
社会:歴史、地理、公民の3分野からの出題。分量、難易度とも例年通り。3分野とも基本、標準レベルの問題がよく出来ており、全体的に平均点がアップした。
公民分野においては、SDGsについて「なぜ取り組む必要があるといわれているのか」を日頃からじっくり考えてもらいたい。
高校入試の出題傾向と対策
国語:例年同様、出題内容については小説、評論、古文から総合的に測る試験であった。素材文は例年に比べてやや長めの文章であった。問題数は例年よりやや少なかったものの、記述の字数は増加した。
難易度はおおむね例年並みであったなかで、総じてよくできていた。
数学:出題形式については、例年通り大問は5つで、記述問題はなく、基本的な計算力や図形の把握能力を問うものであった。分量は例年通りであったが、難易度は比較的易しく、全体的によくできていた。
しかし、「因数分解せよ。」「数値を答えよ。」「値を求めよ。」「座標を求めよ。」など数学的な指示を理解していない受験生が少し目立った。
英語:リスニング力・文法力・読解力をまんべんなく問うた。分量は、リスニングと読解問題については例年より多く、文法問題は例年並みであった。
難易度については、リスニング と大問4の読解問題は例年よりも難しく、その他は例年並みであった。
リスニング・読解問題で得点差が顕著にあらわれると思われたが、全体的にまんべんなく得点している受験生が多く、予想したほどの差は出なかった。
社会:地理では図表を読み取る問題が増加したが、全体の分量は例年通りであった。
難易度については、「標準 やや難」 であったが、歴史と公民はよくできていた。
地理は出題形式に少し戸惑った受験生がいたようであったが、内容を見極めれば正解にたどり着ける問題が大半だった。
理科:基本的な問題でしっかりと得点できたかが点差につながった。分量は例年と同様であった。
化学がやや難化したが、全体的には少し易化した問題が並んでいた。タブレットでの学習に慣れてしまったためか、漢字のミスが例年より多かった印象である。
令和7年度入試では中学・高校とも追試を設けず、インフルエンザとコロナについては当日、別室受験で対応させていただきますので、速やかに本校までご連絡、ご相談ください。
また、入試関連情報については本校HP上でも随時お知らせしています。引き続き体調を整え、入試当日を迎えていただきたいと思います。
(お話は洛南高・洛南高附属中 中村信吾先生) ※本文より抜粋
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