教育時報社

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【本の紹介】

OBが人生で織りなす「精力善用・自他共栄」を
小学生にもわかり易く紹介

灘校の和田孫博校長先生が贈る
『未来への授業』

<きょういく時報」21.4.28号>




 灘校の和田孫博校長先生が、このほど著した『未来への授業~10年後・20年後の世界を生き抜くために~』が、いま、小中学生とその保護者らの間で読まれている。

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 国際オリンピック連盟の委員となり、オリンピックの誘致に尽力した嘉納治五郎の姿は、NHKの大河ドラマにも描かれた。

 日本の柔道の創始者であり、かつ神戸市東灘区にある灘中学校・高等学校(灘校)の創設顧問として関わったことも、広く知られている。

 灘校では中学1年から柔道が正課となっており、嘉納治五郎が考案した柔道の精神「精力善用」「自他共栄」が校是とされる。

 自分の長所と弱点をよく知って、努力すれば大きな成果につながるという「精力善用」、どのような人でも自分ひとりの力だけでは大成できない、という意味の「自他共栄」。

 同著には、各界で活躍する9人の卒業生たちが「未来を生きる君たちへ」と題し、メッセージを寄せている。在学中から、彼らは一体何を考え、どのように自身の“立ち位置”を発見していったのか ――。興味深いエピソードが本文で紹介されている。

 和田校長先生は、みんなが「精力善用」「自他共栄」をそれぞれの人生の中で実践していることが何より嬉しいと語る。

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 和田校長先生は、英語教諭として母校の灘校に戻って以来45年を越えるそうだ。本文には、母校の英語教諭となったいきさつなども、さり気なく織り込まれている。

 また、少年時代の感性そのままに、新しい仲間や先生たちとの“衝撃”の出会いが描かれており、共感を呼ぶだろう。

 「たくさんの中学生と高校生を見てきて気がついたことをみなさんに」「生き方に悩んだり、勉強に行き詰まったりしたときに参考にしてほしい」。巻頭のことばにも注目だ。

 表紙は一見、漫画本。イラストを多く取り入れ、漢字にはルビが打たれているので小学4年生ごろからでも読めるだろう。

 「『勉強』はなぜするのか」(第2章)「本当の自分とは何者なのか」(第3章)など全5章から、人としての成長のカギが見えてくる。親子で“回し読み”したい。



『未来への授業~10年後・20年後の世界を生き抜くために~』和田孫博・著/新星出版社・刊/A5判/1,400円+税



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