東京大学は、2020年度以降における入学者選抜方法の検討について出願要件の基本方針を明らかにした。
これによると、従来の東京大学の出願要件に加え、
①大学入試センターによって「大学入試英語成績提供システム」の参加要件を満たすと確認された民間の英語試験の成績(但しCEFRの対照表でA2レベル以上に相当するものとする)、
②CEFRのA2レベル以上に相当する英語力があると認められることが明記されている調査書など、高等学校による証明書類、
③何らかの理由で①②のいずれも提出できない者はその事情を明記した理由書、
のいずれかの提出が必要とされる。
但し、出願が受理された後は、①②③を合否判定の資料としては用いない ―― としている。
東京大学では、2020年度に実施予定の大学入学共通テストにおける英語認定試験の活用について、学内に「入学者選抜方法検討WG(ワーキンググループ)」を設置し、本年7月14日、同大学のホームページ上に答申内容を公開した。
認定試験のあり方に懸念
東京大学では今回、出願要件を追加する方針を明らかにした理由について、東大WGの答申にもあるように、受験生の公平・公正という観点、さらにはこの施策が抱える多くの課題が未解決のまま残されている現状をあげている。
「残念ながら受験生が安心して受けられる体制が整っているとはいえない。今後英語認定試験においてその実施段階で様々な問題が生じることが予測され、こうしたものを統括すべき文科省や大学入試センターがどのような責任体制をとり受験生の保護という対応策がとれるのかが明確にされていない」との懸念も明らかにされている。
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