12人を超えたら成立しない?
―― 新指導要領ではアクティブラーニングの推進も――。
和田:アメリカのトップ私学関係者によると、「クラスのサイズが12人を超えると、アクティブラーニングは成り立たない」ことが実証されているのだそうです。
ただ、1クラスの人数を12人に抑えれば、月謝はたちまち数倍に跳ね上がるでしょう。だからといって35人~40人の学級で本当に機能的なアクティブラーニングができるのか、この点はやはり検証作業が必要ではないでしょうか。
日本では教室の規律が重んじられてきたため、授業が一方通行になりがちでした。そこが本当に転換できるのか、そういった点もポイントの一つになりそうです。
またアクティブラーニングには“予習型”の学びが欠かせません。「次の授業はこういうことをやりますから、家でこういう本を読んできなさい」「こういうことを調べてきなさい」というように、次の授業に臨むための準備を生徒自身も求められるわけです。
そのような“予習型”の学びに大転換できるのか、考えてみる必要があると思います。
本校の場合は、数学の授業などで先行する部分があるとは思いますが、ただ『アクティブラーニング』という言葉で表現するよりも、「生徒にもっと好奇心を持ってもらうにはどうすればよいか」、「率先して授業に参加してもらえるように、さらなる研究を」など、より具体的な先生方への呼びかけがふさわしいような気がしています。
―― ありがとうございました。<文中敬称略>
(前・中教審専門委員)
本文より抜粋
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