国立大学協会主催の第13回大学改革シンポジウムが10月20日、東京都千代田区の一橋講堂で開催された。
大学入試制度の抜本的な改革をめざす政府の「教育再生実行会議」の理念を文部科学省の中央教育審議会でどのように具体化できるのか。
その試金石ともなる中教審の安西祐一郎会長(前学校法人慶應義塾塾長・日本学術振興会理事長)の基調講演がおこなわれた。
安西会長はその中で今後の答申の方向性について「今の大学入試センター試験にかわる二つの試験について、名称がわかりやすいものに変更すること、各大学の個別試験についても学力だけではなく学習姿勢や態度や意欲なども評価として盛り込んだ内容としていくことが重要ではないか」との見解を示した。
一方、国立大学側からは「平成2年以降大学の動きの中で、AO入試や推薦、指定校推薦などさかんに行われ、それらの入学者の比率も年々拡大していった。大学の学力・研究水準を維持するためには国語力・数学力・英語力・理科力・社会力の基礎をしっかりと身につけて入学してもらわなければ、学力のみならず教養力の形成にもつながらない」との意見が聞かれた。
その後、里見進東北大学学長の司会でシンポジウムが開かれ、東海大学観光学部松本亮三学部長、筑波大学阿江通良副学長・理事、岡山大学許南浩副学長・理事、全国高等学校長協会会長髙橋基之目黒高等学校校長、私学側からは和田孫博灘中学校高等学校校長がシンポジストとして出席し意見が交わされた。 |