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 近畿の実力私学50選

学校法人 甲南女子学園

甲南女子中・高等学校


岡田明 校長先生へのインタビュー


豊かな教育環境と充実した教育内容
今春国公私大・医医に16名が合格

〔21.10.28号より全文掲載〕


―― コロナワクチンの集団接種ついて、どのようなご対応を。

岡田: 甲南女子学園では、教職員のほぼ全員がワクチン接種を終えました。職域接種の形で、職員家族への接種なども行われました。

 中高生についても、ワクチンに対して関心のある生徒が自主的にご家庭の判断で接種を行っており、9月現在、中学1・2・3年生も含めて1日当たりほぼ40人のペースで接種が進んでいると聞いております。

 本校では、副反応にも考慮して接種の日を含む3日間は学校を休めるようにしています。個々の状況については個人情報ですので把握しておりませんが、生徒たちの意識は高く、ワクチン接種を通して自ずと安心感につながるものと考えています。


―― さて、甲南女子中高は2008(平成20)年度より、「Sアドバンスト」「アドバンスト」の2コース制になりました。

岡田: 女子の進路の多様化に対応し、コースの改編に踏み切ってから今年で13年目となります。

 ちなみに私自身は、甲南女子大の教員から本校校長に就任して7年になりますが、新コース制の第一期生は、京大・阪大の医学部にいきなり合格を果たすなど話題を集め、そうした生徒たちの頑張りに教員も大いに励まされたことなど度々耳にしてきました。

 医学部を志望する生徒たちは、その後も増え続けており、今春は国公立大・私立大の医学部医学科に16名の合格者を送り出しました。

 生徒たちの進路が大きく広がる中で、甲南女子中高から甲南女子大学にも毎年20名前後が内部進学しています。以前に比べると内部進学生は少なくなりましたが、本校と学園本部との良好な関係性は変わらず、校長として大変心強く感じています。

 また、本校は高校からの生徒募集を行わない完全な6年一貫教育を実施しています。各クラス36人の少人数制で、体育祭や文化祭などの伝統行事も大切にしており、“二兎を追う”気概を持ってバランスの取れた教育を実践していくことが、本校の評価にもつながっていることを日々実感しています。


充実のICT環境を活用
―― 文系・理系の選択は高校2年から、とのことですが ――。

岡田: 本校では、高校2年から文系・理系の選択を行います。

 アドバンストコースでは現在、理系の割合が6割から7割となっており、理系の割合が増えています。理系教育に欠かせない情報機器関係の設備環境も早い時期に整備されました。

 各クラスに電子黒板があり、校内どこからでもWi-Fiにつながる環境が整っており、教員は全員iPadを持ち、生徒には1人一台の iPad を貸与しています。

 昨年、コロナに伴う休校中も、いち早くオンライン授業をスタートさせ、ノウハウを蓄積することができました。

 一方で、大学入試に向けた対面授業の重要性から、今年は大学の大教室を借りてサマーセミナーを開催し、好評でした。生徒に寄り添った対応を、引き続き重視していきたいと思っています。

 また、本校では、生徒たちが日々の学習を通して理系の考え方にも慣れていけるよう、各教科で工夫をしています。

 例えば、音楽の授業では iPad を用いた作曲活動を取り入れ、家庭科ではフェルトで人形を作る際に電子工作を組み込むなど、より身近な形でプログラミングの考え方に触れていきます。科学技術と“ものづくり”を組み合わせた STEAM 教育の観点を活かすことで、論理的な理系脳も鍛えられていくようです。

 一方、本校では長年、総合学習などを通して「自分を表現する力」の育成を図ってきました。大学入試でも小論文やプレゼンテーションが課されるようになり、生徒たちには大いに強みを発揮してほしいと願っています。部活動や生徒会活動でも色々な取り組みが見られ、頼もしく感じているところです。

―― 昨年、創立100周年を迎えられました。
岡田: キャンパスには、最新の施設・設備が整った新校舎とともに、村野藤吾氏の設計による旧校舎群が点在しています。

 旧校舎はいずれも国の登録有形文化財に指定され、村野氏による本格的な数寄屋造りの茶室や、手入れの行き届いた日本庭園が私たちの心を和ませてくれています。

 学校説明会や入試相談会の折に初めてキャンパスを訪れた小学生や保護者の方々が、豊かな緑と季節の花々に彩られたキャンパスの風情に思わず見入っておられる姿もお見受けします。恵まれた教育環境の中、生徒一人ひとりが、ゆっくりしっかり成長していけるようサポートしてまいります。


―― 本日は、ありがとうございました。<文中敬称略>


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