個人情報の流出が2070万件に及ぶことも懸念されるベネッセホールディングス。その中核をなすベネッセコーポレーションは、ほとんどの私立中学校高等学校が導入しているといわれる「進研模試」の実施母体でもある。
もともとは岡山県に本社を持つ小・中学生向けの通信添削会社だったが、市場経済の波に乗り、ここ20年の間で、語学専門学校ベルリッツ、進学塾アップ教育企画、関西個別指導学院、東京個別指導学院、鉄緑会、お茶の水ゼミナールなど、学習塾や語学関係企業を次々に買収。
また、毎年文科省が行う全国学力テストの業務を委託されるまでになった。
個人情報保護法では、「5000人以上の顧客データを有する企業」を管理事業者とし、顧客のパーソナルデーターの管理、つまり社内での秘密性の保持、利用目的の制限、情報にアクセスできる人の特定などの対策が求められている。
ベネッセホールディングスでは、膨大な個人情報の取り扱いに関し、どのような対応がとられていたのか、今後説明責任が問われるだろう。
「住所・氏名・生年月日・電話番号などの個人情報の取り扱いを安易に考えると、顧客からの思わぬ損害賠償請求や、刑事事件として告訴される場合もある」と、個人情報保護法に詳しい弁護士は語る。
また、いわゆる“名簿屋”の存在は、こうした個人情報保護法の規制外にある。名簿屋の実態についても行政がしっかり把握し、個人情報保護法が適正に運用されることが望まれる。
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