教育時報社

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国会がはじまった!!

2018.10.30



 安倍普三新内閣のもとで国会がスタートした。

 安倍内閣では”憲法改正国会”と位置付けているようだが、今年10月10日にNHKがおこなった世論調査では「安倍内閣が最も力を入れて取り組むべき課題」として、①社会保障問題29% ②経済対策20% ③地方活性化14% ④外交安全保障と防災11% ⑤憲法改正6%という結果が出ている。

 世論調査でも憲法改正問題の優先順位は最も低く、社会保障問題をはじめとして喫緊の課題が山積している。

 10月25日の安倍首相の所信表明では、まず憲法改正ありきで、こうした世論調査結果とは全く逆な発想をしていること証明したようだ。つまり「憲法は国民の発意によるものではなく、首相の専権事項である」という発想だ。

 演説で安倍氏は「憲法改正は自民党結党以来の悲願である」とよく言う。だが、憲法が「自民党のためにある」わけではないことは、小学校の児童でもわかることだ。”主権在民”という憲法の理念に矛盾する考え方を表明したことに気づいていないのだろうか?

 10月27日の日刊ゲンダイウエッブ版(nikkan-gendai.com)は、2012年5月に開かれた「創生日本東京研修会」で、安倍首相や下村元文科大臣らが並ぶ前で、当時の長勢甚遠法務大臣が「国民主権、基本的人権の尊重、平和主義」の平和憲法の根幹を批判し、「この3つを無くさないと本当の自主憲法にならない」と語ったことを伝えている。

 安倍派であろうとなかろうと分け隔てなく、改憲論議が党内でも、もっと談論風発されてよいはずなのだが。党の憲法改正論議の場であるべき党改憲推進本部の長に、安倍氏側近の下村博文氏を据えたということは、党内でも有無をいわさず安倍氏の改憲政策を押し通すということなのだろう。社会保障問題や経済問題を優先すべきという石破茂元幹事長や、思いを同じくする自民党国会議員、地方の自民党議員や党員の思いは”どこ吹く風”といった按配だ。

 こうした東京(中央)執行部中心の独思的な発想は、自民党だけに限ったものではない。国民の安倍氏に対する不信感を醸成した森友加計問題の追及だけに焦点が偏っている野党は、自民党の政策の矛盾をきちんと指摘し、対案を世間に対して示し、訴えていくべきではないか。(N)

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