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近畿の実力私学50選
学校法人 真言宗洛南学園
洛南高等学校
洛南高等学校附属中学校
亀村俊実 高等学校・校長先生 へのインタビュー
意識高い生徒達の夢実現を後押し
自己の尊重, 真理探求, 社会への献身を基本に
〔25.8.28号より全文掲載〕
――
少子化時代への対応についてうかがえればと思います。
亀村:
就学年齢の人口は、ほんの少し前まで100万人とされていましたが、すでに60万人にまで減少しています。
少子化が急激に進む中で、同じように本校の受験希望者も減り続けているのかといいますと、必ずしもそうではないものの、次の打つ手を模索しているというのが私立校・公立校を問わず正直なところではないかと思います。
現実に、公立校が一つ、二つと消えていく状況もあるわけですが、果たして私学だけがトータルとして募集人員を維持するといったことでよいのかどうか。真剣に考えなくてはならない時期がきているのかもしれません。
その意味では本校においても、例えば生徒たちの志向など見極めつつ、クラスサイズも含めた柔軟な対応を考えていくことになろうかと思っています。
ちなみに高校では、学園併設の小学校から上がってきた子どもたちを迎える時期に合わせて、募集人数を従来の4クラスから3クラスに変更するなどの対応も行なってきたところです。
学校の個性を明確に
――
公立高校では併願制度の見直しや入試日程など、再検討が始まっている府県もあるようですが。
亀村:
日程の問題そのものよりも、むしろ大切なのは公立校・私立校とも、それぞれ自校の特徴を明確にすることではないでしょうか。
それによって府県を超えた形で学校選択の幅を広げることができるかもしれませんし、学校選びについても少し眺めが変わってくるのではと感じます。
――
ところで御校は、関西の男子進学校の間でも比較的早い時期に共学化への歩みをスタートされましたね。
亀村:
私自身、長年にわたって男子校ならではの良さも経験させていただきました。
洛南が共学校となってからずいぶん経ちますが、生徒たちを見ておりますと、例えば男子は女子の目を意識しながら、また、女子も男子の目を意識する中で、お互いの考え方の違いに気づいたり、お互いを慮って一面どこか自分を抑えて行動する様子もうかがわれます。
協力し合ったり競い合ったりしつつ成長し、お互いにのびのびと活躍できる社会を築いていってくれることを期待しています。
国公立大学の推薦入試にも対応
――
国公立大学の推薦入試制度も広く認知されてきましたね。
亀村:
国公立大学の推薦入試枠は総合型選抜も加えると、定員全体のほぼ2割5分近くにまで広がってきています。
推薦入試が一般入試と大きく異なるのは、高校時代の学力評定が条件の一つとして重視される点です。
本校では従来、コースごとに5段階評定を実施してきましたが、推薦入試の利用を希望する生徒たちにも不利益が生じたりすることのないよう、絶対評価を加味した成績評価の方式を導入しています。
ただ推薦入試も、評定値を第一関門としながら、つまるところは共通テストで高得点を獲得できる受験学習が不可欠のようにも感じています。
――
進路に関しては医学部志向も強いようですが。
亀村:
不安定感が増す社会のもとで、まだしも安定した職業分野に見えるのかもしれませんね。
一方、先日、大阪・関西万博に生徒たちを引率する機会があったのですが、技術立国といわれてきた日本のきめ細やかな発想力・コンテンツパワーを、随所に感じました。
キレのある理系・文系の才能が、多様な業態で花開いていくことも大いに期待しています。
本校の進路指導の基本線は「生徒の夢を一緒に応援する」です。
一昨年は海外の大学に26名が合格しましたが、教員が「こんな進学の道もあるよ」と呼びかけたところ多くの生徒たちが関心を持ったようです。
本校には空海弘法大師ゆかりの歴史があります。仏教の教えである三帰依(帰依仏・帰依法・帰依僧)を、「自己を尊重せよ」「真理を探求せよ」「社会に献身せよ」という現代の言葉に直して校訓としています。
従前から、学習に対する意欲の高い生徒たちが集まってきてくれており、校風などもよく理解してくれていると常々感じてきました。
今後も、生徒一人ひとりの夢を育み、意欲を支える進路指導、進学指導を推進していきたいと思います。
――
本日はお忙しい中、ありがとうございました。<文中敬称略>
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