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近畿の実力私学50選
学校法人 金蘭千里学園
金蘭千里中学校・高等学校
大中章 校長先生へのインタビュー
「人間性と学力の育成を柱に」
来年創立60周年
〔24.6.28号より全文掲載〕
――
御校は10年前に大幅な学校改革をスタートされました。2025年の創立60周年に向け、新しい取組についてお話いただけますか。
大中:
10年前の創立50周年の際には、制服をリニューアルするとともに、クラブ活動や学校行事のあり方を見直すなど生徒の自主性を育む機会を大幅に取り入れました。
60周年改革ではさらに、これからの多様性の時代を見据え、個別性と自律性、そして社会性を磨いていきたいと思います。
また、この10年間で本校の入試制度も大きく変わり、国語または算数による1教科型、あるいは英語の導入など多様な科目・日程から選択できるようになりました。
――
60周年改革のひとつには、校則改定も含まれていますね。
大中:
本校ではこれまで、細かな生活指導を行ってきましたが、その中には、髪の長さやくくり方、下校時の店舗への立ち入り禁止など社会一般の常識において必ずしも重要とはいえないものも含まれていました。
そうしたことから、従来の校則を根本的に見直し、より多様性・個別性が重視される社会に適した内容にアップデートしました。
「金蘭千里五則」の名称で、指導のあり方も明確化し、生徒の自主性を育んでいきたいと思っています。
個に応じた課題を提供
――
学習面での新しい方向性について。
大中:
本校では、中学3年と高校1年のそれぞれ英語と数学で習熟度別講座編成を導入してきました。
しかし、長年の取組から課題を洗い出す中で、本年度より習熟度別講座編成をとりやめ、アダプティブラーニングを本格導入しました。
アダプティブラーニングでは、AIによるプログラム方式を用いたアプリを活用しています。
アダプティブとは“個別化”あるいは“最適化”を意味します。例えば中3の数学では、先生がまずクラスの生徒全員に、定期的にiPadで同じ問題を配信します。生徒個々の解答は、AIが受け取って採点し、よくできていれば難しめの問題、あまり理解できていなければやや易しめの問題というように、理解度に応じた問題を、採点結果などとともに個別にフィードバックしてくれます。
こうしたやりとりが数回にわたって繰り返されます。進捗を管理する体制も整え、学年全体で担当者を決めた上で、課題提出が滞っている生徒に対しては催促も行います。
アダプティブラーニングがスタートして2ヵ月余り、生徒たちは関心を持って取り組んでいるようです。
また、定期テストに代えて毎日実施している「20分テスト」においても、デジタル採点も可能だし、フィードバックにオンラインシステムを導入しています。
さらに本年度より、各テストの到達目標も設定し、提供を開始しました。
――
教育のDX化やSTEAM教育など、これから益々広がっていくと思われますが。
大中:
時代が変わる中、ICTの活用など、課題を抱えながらもある程度うまく使いこなしていくことが必要でしょう。
それと同時に、一人ひとりの生徒が自己肯定感と社会性を高めていけるよう、多様な体験の場を提供していきたいと思っています。
――
ありがとうございました。<文中敬称略>
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