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【私学インタビュー】

「中学入試で算数特化型を導入」
まもなく創立50周年

きょういく時報」24.8.28号掲載>




―― 御校はあと3年で、創立50周年を迎えられます。新たな取組など、ご紹介いただければと思います。

宮口:
2025年度中学入試では、前期・後期日程に加え、新たに「算数特化型入試」を導入します。入試科目は算数1教科のみで、“算数好き”の皆さんにぜひチャレンジしていただきたいと思っています。

 本校では、課外活動の数学研究会なども活躍してくれており、国際数学オリンピックへの参加なども今後視野に入ってくるのではないでしょうか。

 主体的に取り組む学びは、必ず生徒たちの身につきます。これまでにも、英語力を磨きつつ「世界地理オリンピック」に出場し、推薦で東大合格を果たした生徒がおりました。

 探究的な学びを通して、好きな教科を深める中で生徒たちがどのような化学変化を起こしてくれるか、とても楽しみにしています。


―― 2025年度の中学入試日程は。

宮口:前期日程1月18日(土)午前、後期日程20日(月)午後、そして算数特化型入試は21日(火)午後の予定です。


―― 少子化が厳しさを増しています。私学全体としてのブランド化、価値づけが求められていますが ――。

宮口:
本校では今春、国公立大学に119名が合格してくれました。医学部医学科をめざす生徒も多く、このうち医学部医学科に40名を送り出しています。

 これからも引き続き日々の授業を充実させるとともに、ICTの活用、探求的な学びの拡充などを通して、より幅広い学力を育成したいと考えています。

 ちなみに来春より共通テストに本格導入される「情報」についても、対応できる教員を増やしました。プログラミングの専門家による夏期講習なども行い、しっかり準備しています。

 また本校は、仏教をベースにした宗教的情操教育のもと、心の教育を推進し、豊かな人間性を育んでいます。さらに、甲子園での活躍なども広く知っていただいているものと感じております。


―― 和歌山県内の私立高校でも、今春から、大阪府の高校授業料無償化制度を利用できるようになりました。


大阪からの受験生も漸増


宮口:
県内の私学の特徴として、大阪南部からの通学生も多いことと、授業料が比較的に安価であり、大阪府のキャップ制に該当することもありません。

 そのため、県内の私立高校のほとんど全てが「大阪府私立高校生等就学支援推進校」に加わることになり、大阪の生徒諸君には、大阪府の無償化制度が適用されるようになりました。

 無償化の問題については行政面でも色々と問題があるようですが、いずれにせよ近畿一円の私学が同じような条件のもとで授業料の無償化の制度を実施していただけないものかと思っています。


―― 県内からの受験生への対応は。

宮口:
和歌山県に税金を払っておられるご家庭におかれては、授業料の補助制度についても県の行政の範囲で行われます。

 本学園は奈良県内にも智辯学園および智辯学園奈良カレッジの2校を併設しています。いずれも今春から大阪府の就学支援推進校となりましたので、大阪府在住のご家庭は大阪府の制度に従いますが、奈良県在住のご家庭には、奈良県の制度に従う形で、保護者の年収には上限が設けられています。


―― 私学助成については、各自治体がそれぞれで対応するよりも、国が考えるべきことというスタンスもあるようですが。

宮口:
就学支援推進校となった和歌山県内の各私学も、授業料の変更に際しては大阪府の許可が必要とされるなど、見方によっては二重行政の懸念も確かにあると思います。

 しかし、大阪府としても費用を購う関係上、無条件に、授業料の値上げを認めるわけにもいかないという事情はわかります。

 一方で、大阪の子たちが自分たちの住んでいるところの行政上のメリットを受けるのは自然なことといえます。

 いずれにしても、全国一律化した形での助成制度がやはり望ましいと感じます。各府県の私学を目指される保護者の方々が、公平な形でメリットを受けられるような制度のあり方が望まれているのではないでしょうか。

―― 本日はありがとうございました。<文中敬称略>



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