教育時報社

TOP特定商取引法に基づく表記プライバシーポリシーお問合せ
近畿の実力私学百選

学校法人 大阪女学院

大阪女学院中学校・高等学校


 ■廣田雅司 校長先生へのインタビュー


リベラルアーツを基礎に
理系進学を促進



今春、『大阪女学院スキーム2020』のタイトルで、教育の方向性をまとめられたそうですが。

廣田: 国の大学入試改革が進行する中、今後の学校の教育の方向性と指針をまとめました。その中では、@キリスト教、A女子教育、B国際理解教育、C英語教育、Dサイエンスなど5つの到達目標をあげています。

 本校の建学の精神やこれまでの歩みも含めて、日本の教育の指針と重なる点が多いことに、あらためて気づかされています。

 大阪女学院は1884年(明治17年)、米国カンバーランド長老教会のミッションスクール「ウヰルミナ女学校」として開校しました。

 当時のアメリカは、南北戦争が終わって国内が落ち着きを取り戻しつつある頃で、キリスト教のリバイバル運動が盛り上がり、多くの青年たちが世界各国へと出て行った時代でもあったようです。

 来日する宣教師、教員の中には女性の姿も多く見られたとのことです。明治維新を経て、世界と向き合っていく日本の姿は、今の時代状況にも重なって見えるのではないでしょうか。



高校の理系1類・2類で募集拡大

大阪女学院中学校・高校のコース設定をご紹介下さい。

廣田: 中学校では、多様な生徒同士が切磋琢磨することで成長してくれることを願い、コース制はとっていません。130年前にうたわれた本学院のリベラルアーツ教育の伝統を受け継ぐとともに、より深化・充実したリベラルアーツ教育をめざしています。

 高校には、普通科(文系・理系)と、英語科を設置しています。来春の入試では、理系コースの定員が30名へと大幅に増え、地方国公立・私立医療薬志望「1類」、難関大理志望「2類」の2コースで生徒募集を行います。

 ただし、理系のカリキュラムが1類・2類で大きく変わるわけではありません。私立大学の中にも理系の難関校があり、国公立大学の中にもセンター試験で事実上の合否が決まってしまうところもあるわけですから、難関校と一般的な大学の理系という、個々の志望に沿ったコース選択が3年間で自ずと出来ていくものと考えております。



理系の進路をめざす女子も増えていると ――。

廣田: 例えば欧米諸国やアフリカ、東南アジアなどでは女子児童・生徒の50%が理系の進路を志向しているとの調査結果があります。

 日本の子どもたちも、実は小学校6年生まで女子の50%が理系を志向しているのに、中学生になるとその割合は大きく下がり、さらに高校で一層ダウンするという特異な傾向も見られます。

 実は私自身が勤め始めた頃、化学の先生が全員女性だったので正直驚いたものですが、女子の学校で理系教育がきちんと行われることで、中・高生の理系志向は増えていくという手ごたえを得ることができました。あらためて大きな期待も感じているところです。


高校の普通科文系コース、英語科の特色については。

廣田: 普通科文系コースは、高3で私立文系志望「T型」、国公立文系志望「U型」に分かれます。

 英語科では、英語の授業が1日平均2時間以上にのぼり、「英語で自分の意見を述べる」活動や諸行事を豊富に取り入れています。GTEC・英検・TOEICなど資格取得にも有利な環境が整っており、アクティブ・ラーニングを用いた英語科の長年のノウハウは、中学校にも広がっています。
 
 今後は、英語以外の教科でも、一方通行にとどまらないアクティブ・ラーニングの取り組みを進めていく考えです。例えば化学の教科書には「なぜそうなるのか」という問いがほとんどなく、「化学反応はなぜ起こるのか」という問いにも正答できない高校生の現状が指摘されています。

 このような現状を変えるには、基礎的な知識を固めた上で、もっと“考えさせる教育”にしていく必要があるでしょう。生徒の思考訓練に役立つポイントを探り出し、授業に上手に取り入れていくことが必要だと思っています。



海外にも11名進学

海外の大学にも合格者を出されていますね。

廣田: 国公立大学の合格者が年々増える一方で、今年は海外にも11名が進学しました。

 本校には1年間の長期留学プログラムがあり昨年は13人が参加しましたが、近く3ヵ月の中期留学プログラムも導入し、より多くの生徒たちに、様々な“景色”、多様な世界を見てほしいと思っています。

 併設の大阪女学院大学では、少人数授業の質の高さが口コミで広がり、留学生が増えておりますが、より幅広くアピールしていくことも重要だと感じているところです。女子校の出身者は、女性経営者などリーダーとして活躍する人の割合も高いとのデータがあります。女子校の持つ可能性を、今後さらに広げていきたいと思います。



ありがとうございました。<文中敬称略>〔15.10.28号より全文掲載〕


戻る


当HP掲載記事の無断転載・転用を禁じます。
©2018 Kyoikujihosha All rights reserved.