教育時報社

TOP特定商取引法に基づく表記プライバシーポリシーお問合せ
近畿の実力私学百選

学校法人 京都光楠学園

京都学園中学校・高等学校


日米学校交流25周年記念親善野球大会(米国セントラルバレー・モデスト市/2014.10.11)

 ■佐々井宏平 理事長・校長先生へのインタビュー


国際教育で学力向上を実践
考える力を育てる『地球学』



文科省のスーパーグローバルハイスクール(SGH)指定を受けられましたが。

佐々井: 本校は今年、創立90周年を迎えます。

 創立者の辻本光楠(こうなん)は明治30年、15歳の若さで単身アメリカに渡りました。世界を舞台に“堂々と渡り合う”日本人の姿を伝え聞き、あこがれを抱いて渡米した光楠でしたが、周囲の大人たちは農業移民としての過酷な労働に耐えるばかりで、現地の人々と交流を持とうとはしなかったようです。

 やがて光楠は、昼間の厳しい労働を終えると、夜には英語専門学校で学ぶといった生活を送るようになります。「自分の意志でしっかり行動できる若者を育てる学校を」と、帰国後創立されたのが、本校の前身にあたる京都商業学校です。

 そうした本校の建学の精神が、まさにSGHの理念に合致していたことを、今更ながら感慨深く思います。



平成4年からアメリカ海外研修!


平成2年には校名を変更されましたね。

佐々井: 商業科を廃止し、全日制普通科に「特進コース」を設け、進学校として歩むことを決意したわけです。

 建学の精神に立ち戻り、平成4年には、創立者の足跡を全員でたどろうと“アメリカ海外研修”のプログラムも導入されました。

 保護者の方々や生徒たちからも大きな賛同の声が上がり、当時は若手教員の一人だった私も「これはスゴイことになるな…」と思ったものでした。

 現在も、高校の「特進BASICコース」と「進学コース」では毎年、6泊8日の“アメリカ海外研修”が行われており、東大・京大・医学部をめざす「特進ADVANCEDコース」でも、高校2年の夏休みに約3週間のイギリス語学研修・ホームステイが実施されています。

 「国際コース」では、カナダとイギリスで7カ月から1年の長期留学も行われるようになりました。



中学校のグローバル教育についてはいかがですか。

佐々井: 中学部には「特進ADVANCEDコース」「特進BASICコース」「国際コース」の3コースがあります。

 3年生は、特A・特Bがイギリスへ10日間、国際はカナダへの2週間の研修旅行に参加し、教員も3年に一度、引率のため海外に出ることとなります。

 “全員海外研修”を長く続けるには、どの教科の教員も日頃から英語の習得や異文化理解に努め、視野を広げておかなくてはなりません。それが生徒たちの海外研修をより有意義なものとし、より良いサポートにつながることは間違いないでしょう。

 昨今は、海外の大学に進学したり、社会人として世界を舞台に活躍する卒業生も多くなりました。海外で柔道のナショナルチームのコーチになった人や、ヨルダンで国際貢献活動をしている人、また、大学を卒業して就職したフランス料理店で副店長として充実した毎日を送っているというある卒業生は、ワインの勉強のためブドウ産地に逗留し、苦労の末にソムリエの資格を取得したエピソードとともに、支えてもらった人々への深い感謝の思いを語ってくれました。

 彼らは皆、高校時代にホームステイ先で出会った親切な人たちのように、「自分も国と国との壁を越え、親切に手を差し伸べられる人になりたい」と申します。

 人に親切にしてもらうだけではダメ。発信できる力を持ってはじめて交流が始まることを教えられます。

 グローバル化とはつまるところ、人に温かな手を差し伸べられる人になることだと私には思われます。問題を解決しようと思えば自ら行動しなくてはなりません。「誰かがやってくれる」のではない、そのことを生徒にも先生方にも日々呼びかけています。



「いつかプロ。いま本気」


東大など国大や医学部にも卒業生を輩出されていますが。

佐々井: 本校では中・高で放課後、グレード別の英・数講座を開いています。

 理解度の速い生徒は『超数学』『超英語』で難問にも挑むことができ、遅れがちな場合には『基礎力講座』で見直しができるようになっています。

 また、中学校には『地球学』の授業があり、化石採集や地層見学、京都の寺社仏閣にまつわる歴史探訪などフィールドワークが充実しています。生徒たちは興味を持って自らテーマを定め、研究・討論・発表にも参加できるようになっていきます。

 さて、本校は8月25日の夏休み明けから、生徒への個人面接を始めることにしました。生徒一人ひとりの様子に学校が目を配り、いつもと違う様子に気づいたら迷わず保護者と連絡を取り合います。

 学校は生徒たちのオアシスになること。仲間が集い、休んだり眠ったりもできる、時には弱音を吐ける、学校とはそんな場所でありたいものです。教員は第一に子ども好きであること。本気の教員がいなければ、生徒の本気も育たないでしょう。

 「いつかプロ。いま本気」を合言葉に、生徒一人ひとりの真剣勝負を応援し続けたいと思います。



ありがとうございました。<文中敬称略>〔15.9.18号より全文掲載〕


戻る


当HP掲載記事の無断転載・転用を禁じます。
©2018 Kyoikujihosha All rights reserved.