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近畿の実力私学百選

東山中学・高等学校


 ■副校長・校長代行 福地信也先生へのインタビュー


『セルフ・リーダーシップ』を育成

気づきの教育を大切に



男子校としての魅力を、お聞かせいただけますか。
福地: 男子校には、生徒が自分の“居場所”を見つけやすいというメリットもあるようです。女子の目を意識する必要がなく、ありのままの自分で過ごせる安心感や気楽さが、生徒の素直さにもつながっているように感じます。

 勉強やクラブ活動に集中して取り組めるこの環境を、引き続き大切にしていきたいと思っています。


自灯明、法灯明の教え

御校の創立は、明治元年とのことですが。
福地: 本校は、3年後に創立150周年の節目を迎えます。法然上人の心を建学の精神として今に受け継ぎ、週1回「宗教の時間」には、お釈迦様や法然上人にまつわる話をしております。

 そのほか月1回の「聖日音楽法要」、そして年に1回知恩院に全校生徒が参集して行われる法要など、宗教的情操教育も本校ならではの特色の一つとなっています。

 また、東山ではこれからの時代に求められる力として、生徒たちが主体性を持って行動し、夢の実現と目標達成に向かっていける『セルフ・リーダーシップ』と、その基礎となる『土台力』の育成を図っています。

 私は、これまで10年余りにわたって“Self-Leadership”と題したA4サイズ1枚の小文を年数回、生徒に配布してきました。通算100号にわたり、毎回テーマを持って調べたり考えたりしてきましたが、東山の教育の原点を探る中で「自灯明、法灯明」の教えに出合えたことは、私にとって忘れることの出来ない“気づき”の経験にもなっています。

 「自灯明、法灯明」の教えは、お釈迦様がお亡くなりになる直前、弟子に問われて語ったとされる遺言です。

 「自己を灯明とし、自己をよりどころにして、他人をよりどころとせず、法を灯明とし法をよりどころとして、他のものをよりどころとするなかれ」。すなわち「自灯明」は『セルフ・リーダーシップ』として、「法灯明」は『土台力』の育成という形で、今日の東山に受け継がれていることに、図らずも気づかされたわけです。


「生かされている」と気づく
: 話は少し飛ぶかもしれませんが、本校の卒業生でもある狂言師の茂山宗彦さんは、在学中から耳にしてきた法話を思い出し、「生かされている」自分に気づいた時、本気で狂言に打ち込もうという気持ちになれた、とおっしゃっていました。

 思い悩んで真剣に考えるからこそ気づくことができる――。本校の教育から得たものとして、茂山さんはそう語っておられます。

 私たちは、過去に生きた人々がどのような生き方をしてきたのかを学び、どう生きるのが良いことなのかを悩み、議論し、さらに自分はどう生きていくかを選択し、決めなければなりません。変化が激しいこの時代だからこそ、こうした主体性、すなわち『セルフ・リーダーシップ』がより切実に求められていると思うのです。

 同時に、人には『土台力』が必要です。一本の木はしっかりと根を張って立っています。外からは見えないけれども一番大事なのが根っこの部分、すなわち人で言うなら、基礎学力やものの考え方をしっかり身につ
け、深めておくことなんですね。


スポーツの盛んな進学校

御校はこれまで、コース制のもとで着実に大学進学実績を伸ばしてこられましたが。

福地: 本校は中高一貫に2コース、高校に4コースを設置しています。中学からの6年一貫課程、高校からの3年課程のいずれにも最難関国公立大学をめざすカリキュラムがあり、目標を持って学んでもらえるコース編成としています。

 “スポーツの盛んな進学校”をめざす本校には全国レベルのクラブが多く、クラブ推薦・指定校推薦・AO入試なども幅広く活用されています。

 中・高はともに隔週6日制で、月2回の土曜日にはカリキュラム以外の講座や、補習、模擬テストなどを実施しています。

 中学では、例えば琵琶湖博物館の学芸員の方に来校いただき、琵琶湖に生息する魚の解剖を行ったりもします。

 また、「何のために勉強するのか」を考える“夢ナビ”講座の授業は私が担当しています。生きていく上で、選択肢のない答えを見出さなければならない時、必要とされるのは学問の力です。それがなければ人は幸せには生きていけないでしょうし、そのための勉強だと気づいてほしい。

 夢を持ち、目標を持てば「がんばろう」という気持ちが出てきます。私たちは、縁あって東山に集まってくれた全ての生徒、その一人ひとりを照らす豊かな教育をめざしたいと思っています。


ありがとうございました。<文中敬称略> 〔15.8.28号より全文掲載〕


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