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2023受験校研究/私立中高合格のポイント

金蘭千里中学校・高等学校

「国・算1科目入試との併願も人気」
“ 得意 ” を活かす多様な入試
初日の午前・午後ダブル受験も

きょういく時報」22.10.28号掲載>




 本校は、完全な中高6年一貫教育を実施しています。1クラス30人の少人数制で、定期試験に代わる毎日20分間のテストも大きな特色となっています。

 「コミュニケーション能力」「リーダーシップ」「柔軟性」の育成を図り、生徒一人ひとりが主役になれる教育を推進しています。

 本校では、帰国生入試や英語入試など多様な入試方式を取り入れてきました。現在、帰国生入試の1期生は高3に在籍しています。周囲の生徒たちも良い刺激を受けており、入試の多様化に伴う好循環を実感しているところです。

 国語または算数による「1科目入試」では、飛び抜けた“得意”を持つお子さんたちがチャレンジしてくれています。得意科目を持っていると、他の科目もそれに引っ張られるように伸びていく傾向があるようです。本校ならではの教育環境のもとで、個性をさらに伸ばしてほしいと思っています。


後期の国語は記述問題なし


 2023年度の中学入試日程も、前年度と同様の流れになります。1月14日(土)午前の「前期A」は、全員に国・算・社・理の4科を受験していただき、合否判定は、①4科合計点、②(国+算+理)×1.2、③(国+算+社)×1.2の3パターンの中から最高得点を用います。

 同じく1月14日(土)午前の「前期E」は国・算・英の3科型。英語はリスニングを含む70分・120点で、国・算については前期Aとの同一問題です。

 続いて1月14日(土)の午後入試ですが、午後4時45分から国・算2科による「中期B」、午後5時5分から国語1科目による「中期J」と、算数1科目による「中期M」を実施します。

 中期B・J・M入試のいずれも同一問題で、国語は記号選択式の設問を中心に出題しています。

 2日目の1月15日(日)は、午前に「後期」と「帰国生」入試を行います。「後期」の入試科目は国・算2科ですが、このうち国語は2023年度入試より自由記述問題がなくなり、記号選択式中心の出題となります。

 「帰国生入試」は、日本語・適性検査・本人面接の総合判定で、初日の「前期E」との併願も可能です。

 出願期間は全日程12月12日(月)から1月10日(火)まで、インターネット方式による受付としています。本校のパソコン等から出願手続きをご希望の際は、事前にご連絡ください。

 合格発表は試験日の翌日、インターネットで行います。入学手続のために来校いただく必要もありません。

 2022年度入試では、初日午前・午後のダブル受験がけっこう見られました。復活合格にも自ずとつながったものと感じています。


制限時間内で過去問に取り組む練習も


 本校では今年10月初旬、小学6年生対象のオープン模試を初めて実施しました。その分析結果を加えつつ、今春2022年度入試から出題傾向を紹介しておきたいと思います。

 国語は、「前期A」「前期E」で記述問題も出題します。「実用的な情報を読み取る問題」も含まれており、その正答率が86.6%と高かったことから、基礎的な学力が身についていたことがうかがわれます。「前期B」は記号選択問題が中心で、短文読解問題が含まれます。「後期」は、第1問で「日本語リスニング問題」を出題していますが、今回、飲食店での店員と客のやりとりに関する問題ではメモを取り忘れた受験生もいたようです。普段から、人の話を聞いてメモを取る習慣を持ちましょう。また、選択肢の「間違った記述」を選ぶ際に、「正しい記述」を選ぶ人も目についたとのことです。なお、2023年度入試より「後期」の自由記述問題がなくなりますので、過去問の練習には「前期B」・「中期B」を用いるのが有効といえます。

 一方、10月のオープン模試では国語の平均点が算数を下回る結果となりました。最後まで読み切れなかったケースも散見されたようです。焦ったときほど、本文をきちんと読み登場人物の設定などもつかんだ上で設問に取り組む姿勢を大切にしたいものです。入試まで2ヵ月を切ろうとしていますが、漢字や言葉の意味、慣用句についても仕上げに入りたいところです。

 算数は、受験算数の代表的な問題から幅広く出題しています。第1問は計算や単純なパターン問題、続く各大問も最初の設問は考えやすく、それらを落とさないことが肝要です。「前期A」「前期E」では今回、旅人算や面積に関する問題でミスが目立ちました。どの入試日程にも言えることですが、普段の学習から、考えることや根拠を明確にするよう心がけてほしいと思います。

 一方、10月のオープン模試では、各大問において前問をヒントにしながら解き進めていく小問誘導の形がとられていましたが、ヒントを活かしきれず得点が低くなる人も見受けられました。また、場合の数の問題では、だぶってカウントするミスも目につきました。

 理科は、全体的にまずまずの出来でした。試験時間は30分なので、手のつけやすいものから取り組む練習もしておくとさらなる高得点が見込めるでしょう。4分野のうち生物分野では、今回「マジックテープ」に関する考察が出題されていましたが、日頃から身の回りの物質に興味を持ち、これまでに習ったことと結びつけて考えてみてほしいと思います。

 社会は例年、地歴公の3分野がほぼ同配点となるように出題しており、得意な分野から手をつけていけばよいでしょう。漢字で書くべきものは正確に書けるように。6年生で学習する政治・国際の分野からも出題されます。大きなニュースなど時事的なことがらにも気を配っておいてください。

 英語は全体的によくできていました。大問7つのうち第1問のリスニングと、第2問の語法・文法問題」は、正答率が75%を超えました。一方、「言い換え」、「文法・作文」、「課題英作文」に関する問題の正答率はやや低かったようです。日頃からできるだけ多くの英文を読んだり聴いたりする中で、英語に特有の表現や文のかたちに慣れるとともに、語彙力も養っておきたいものです。

 なお本校入試の過去問は、全教科『金蘭千里中学校入試情報サイト』からダウンロードしていただけます。 


(お話は金蘭千里中高 中村聡太教頭先生)


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