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【論点】

財源ヤァ~ィ

きょういく時報」20.11.28 814号掲載>


 コロナのもとで、教育機関はオンライン授業を余儀なくされた。大阪府では、間を置かず吉村知事が声明を発表。府内の公立学校に通う児童生徒全員へのタブレット配布の方向性が示された。

 だが、府内の私立小中学校に対し、府からの予算はタブレット購入額の二分の一だけしか出ない。天災のような今回のコロナ禍。どうしてこのように公立学校との予算格差が生ずるのか? 

 私立学校で組織される大阪私立中学校高等学校連合会(辻本賢・会長)と大阪私立学校振興会(釜谷行藏・会長)は、8月7日付で、大阪府議会・私学振興議員連盟の中司宏会長に宛てて要望書を手渡している。

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 かつて橋下徹氏が大阪府知事時代、当時の大阪私立中学校高等学校連合会会長をされていた釜谷行藏・学校法人履正社理事長との話し合いの席上、私学助成金に関わる釜谷理事長の話に対して、橋下氏が「高校の補助金は確かに重要だが、中学校は義務教育だから…」と語った。

 いじめ問題など、色々な考え方で、私立小学校や私立中学校を選択する家庭も少なくない。教育の多様性について橋下氏の理解が得られなかったことは残念だった。

 が、私立小学校や私立中学校、私立高校への学校経常費補助は、せめて全国の各自治体の平均的経常費補助のレベルに、との期待も裏切られ、今や小学校では全国ワーストワン、中学校でも全国ワースト4、高校の経常費補助率も全国ワースト2となっている。

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 私学の経営が、生徒の授業料だけでは成り立たないことは多くの自治体関係者にとって常識的な認識だ。

 国・文科省からの各私学への経常費助成(私学補助金)が、もう一つの重要な私学の経営財源になっているのも事実。

 この各私学への経常費助成は、地方自治体である都道府県を通して配分されるのだが、例えば私立高校の場合、国の財源措置は生徒一人当たり340,923円となっている。

 これがどのようなワケか、大阪府では生徒一人当たり311,050円とされ、この財源差額27億4千万円が復活しないのである。

 公立高校では、将来に向けた設備投資についても自治体や国が予算を考えてくれる。が、私学の場合は、学校法人による積立金を備えとするか、国の金融機関からの借り入れで対応しなければならない。

 経常費助成は、私立高校が経営に必要とする重要な財源でもある。大阪府においても、まずは国の財源措置に準じた措置が望まれる。

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 さて、私学の保護者に対する就学支援金の制度については、近畿の各自治体の中でも大阪府がトップクラスの制度を誇っている。こうしたシステムのあり方は、国の教育財務制度にも影響を及ぼしたといえる。

 大阪府では、大阪維新の会の知事や府議会議員の人々の人気が高く、絶対与党の強固な基盤にもなっている。が、その弊害も一方で語られるようになってきた。

 隣接する自治体の就学支援制度との間に大きな段差があり、周辺からの受験生の流れが止まったと語る私学や、大阪府内からの受験生が減ったと語る近隣自治体の私学の声も、囁かれるようになってきている。

 私立中高の選択権は保護者や受験生たちにあるが、その選択の幅が狭められている現状は是正が必要ではないか。


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